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夏目漱石 増補新版: 百年後に逢いましょう (文藝別冊)

夏目漱石 増補新版: 百年後に逢いましょう (文藝別冊)

夏目漱石 増補新版: 百年後に逢いましょう (文藝別冊)

作家
奥泉光
出版社
河出書房新社
発売日
2018-05-17
ISBN
9784309979458
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夏目漱石 増補新版: 百年後に逢いましょう (文藝別冊) / 感想・レビュー

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しーふぉ

夏目漱石は読もうと思っては挫折する本が多い。夢十夜は好きなんですけどね。しかし、本好きとしては一通り読んでおきたい。そこで夏目漱石を理解するために読んでみた。内容は対談やエッセイなどバラエティ豊かで面白い。草枕などは詩のように味わいなさいというのが印象に残った。そういう感じでいいのか。

2019/03/02

べる

近代の青春小説は『三四郎』と同じ型の告白できない男たちが多い。また、徳冨蘆花の『不如帰』から始まる相思相愛になると女が必ず死ぬ型もある。新聞社に入る前後では違う漱石が見える。『道草』『明暗』では他人と関係できない苦しみを主題とした。分からないことを小説に書いた。水村美苗は漱石が日本の近代化が始まった年に生まれたことが奇跡だと話す。漱石は人はどうあるべきかを常に自問した。そのために近代化に嫌悪感を抱き、近代化とは何かを思考した。中国文化に親しんでいた漱石には女が自分と同じ「人間」だと思うことに抵抗があった。

2021/01/22

Akito Yoshiue

巻頭鼎談もよいが、水村美苗の講演がとにかく良かった。

2020/08/17

マカロニ マカロン

個人の感想です:B+。冒頭の責任編集者奥泉光さんらの鼎談、水村美苗さんの講演録、柴崎友香さんら6作家による私的解説、10作を5万字で読むという「漱石ベストセレクション」、11のトリビア、『猫』などのパスティーシュ4編など、とても楽しく読んだ。特に石原千秋さんと小森陽一さんの対談では漱石の文学形式(F+f)の意味の説明と解析や、『明暗』お延男性論など女性の登場人物に関しての新説は興味深かった。漱石愛あふれる漫画家香日ゆらさんの『図解漱石周辺人物』、芸人サンキュータツオさんの国語辞典の記述検証も楽しかった

2021/05/04

いのふみ

小説内をすべてコントロールしたい鷗外と、執筆中のノイズを積極的に取り込む漱石の対比は面白い。『行人』における停電の際に媚態を見せる嫂など、エンタメ作家としても腕の冴えがある。のみならず、『草枕』における風呂場の女体の描写や、物語の成立寸前で脱臼させる手法、流行の自然主義に乗らない姿勢など真に「小説家」であった。いとうの「東大を出て国費でイギリス留学後、作家になり朝日新聞に入るのは、今でいえばニコニコ動画に入るような衝撃」というの、うまい。とりあえず、漱石を「国民の教師」という「桎梏」から解放しなくては。

2019/06/25

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