氷室冴子: 没後10年記念特集 私たちが愛した永遠の青春小説作家 (文藝別冊)
氷室冴子: 没後10年記念特集 私たちが愛した永遠の青春小説作家 (文藝別冊) / 感想・レビュー
ツン
完読というよりはとにかくこの本は自分の本棚に欲しかったんです。子供の頃、たくさん読んだので。
2021/08/07
藤月はな(灯れ松明の火)
お名前は聞いた事はあるけど、実は氷室冴子さんの作品は一冊も読んでいないのです。そんな私にとってのブックガイドにもなった本でした。まず、寄稿されている人達の豪華さに、次に氷室さんのエッセイや対談、関係者のお言葉から分かる魅力的な性格と作品の幅広くも深い研究心に感嘆するしかありません。そして「精力的に1980年代から90年代に作品を上梓された氷室さんにとっての2000年代は充電期だった」という言葉に目を伏せてしまう。まだ、書きたかったものもたくさん、あっただろうに・・・。よし、まずは『クララ白書』から読もう。
2018/12/22
さつき
小中学生の頃、夢中で読んだ氷室冴子さんの作品。今でも読み返したくなるし、未完の作品の続きはずっと気になっています。色々な人のインタビューや対談、本人の書いたエッセイも載っていて、じっくり読みました。当時は私と同じようにファンだった作家さんたちも寄稿していて、この人も読んでたんだなぁと、変な連帯感を持ちました。高殿円さんは『銀金』の続きを「読めないと思うと気が狂いそうだったから」「勝手に書いた」と書かれていて、すごく共感。私は高殿さんの書かれた続編も読んでみたいです。
2018/09/05
Kei
絵本にもコバルト文庫にもハマったことはないが、氷室冴子さんが、集英社の青春と読書に寄稿した、国鉄がJRに変わる時の文章に、いたく感動し、今もその冊子は持っています。彼女の父親は、北海道の国鉄職員。開拓時代から、蒸気機関車、国鉄の全盛と傾きへの変遷を、実に尊く哀切に綴っておられました。本書を読んでも、多岐にわたる深い知識と考察には感服するばかり。存命していれば、どんな著作を書かれたことか。豪華執筆陣にも注目でした。
2018/12/17
よっち
氷室冴子さんが亡くなられてから10年。過去インタビューや彼女の関係者たちの寄稿文などから様々な視点で明かされる氷室冴子特集。「なんて素敵にジャパネスク」や「海がきこえる」など、読書傾向に間違いなく多大な影響を与えた作品を書かれてきた氷室冴子さんは自分の中では間違いなく大きな存在で、皆さんの語られる彼女はわりと豪快で周囲に慕われる存在だったんですね。実際には著作数自体わりと少ないんだなというのはやや意外な感もありましたが、読んでいて何となくじんわりと来るものがあって、彼女の作品をまた読んでみたくなりました。
2018/10/06
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