追悼総特集 橋本治: 橋本治とは何だったのか? (文藝別冊)
追悼総特集 橋本治: 橋本治とは何だったのか? (文藝別冊) / 感想・レビュー
ミカママ
『黄金夜界』を読む前に、追悼集を。リアル友の推しなため、ことあるごとにわたしも読まされている橋本さん。正直ここまでその魅力は、薄皮に包まれた存在だった。ご自身で生前書かれた「自叙伝」と、ハシモト流「教育論・仕事論」は楽しかった。錚々たる面々による「亡くなったことがまだ受け入れられない」追悼エッセイの数々だけでも、その偉大さがわかる。わたしにとっても、その魅力の真髄の薄皮が一枚むけた印象。彼らにとって彼の死は、まさに時代が「橋本治前&橋本治後」に二分されるほどの衝撃だったのだろう。
2021/06/28
帽子を編みます
橋本治、もういないのですね。この本には、彼を惜しむエッセイがどっさり載っていて、往年の彼のエピソード、そして彼のいない衝撃と虚しさが語る人を変えながら次々に続いていきます。間に本人の作品が挟まれて、その多才さ、多彩な表現に圧倒されます。私も彼を惜しみます。巻末の著作リスト、彼の仕事。いつか読まなければ、読みたい、心に熱い思いが刻まれます。
2021/11/13
もりくに
橋本治さんは、「古希」前後の世代の、「知の巨人」の一人だったと書かなければならないのが、とても残念だ。(2019年1月29日死去 71歳)とにかく多才。東大闘争真っ最中の駒場祭のポスター「とめてくれるな おっかさん・・・」で衝撃的デビュー。そして10年後の女学生言葉の「桃尻娘」で小説デビュー。更に、日本の古典の優れた翻訳者でもある。最初の「桃尻語訳 枕草子」の書き出しは「春って 曙よ」!評論では、小林秀雄と三島由紀夫を論じている。エッセイも多数出版し、「上司は思い付きで ものを言う」などのヒットもある。→
2019/07/21
阿部義彦
流石治ちゃんの文庫を一番出してる河出書房新社の特集号は愛に溢れて読み応えがありました。ビックリハウスに連載した「ちょっと早すぎた自叙伝」まで掲載!うわー驚きです。昔読みましたよ!エッセイ陣の面子も、内田樹、姫野カオルコ、斎藤美奈子、津原泰水、保坂和志など素晴らしい出来。ロングインタビューもスタジオジブリによるものが良かったし、小田嶋隆さんの選んだベストエッセイセレクションも初読みもあって最高。うー河出文庫で「ロバート本」「デビッド100コラム」を読みたくなりました。そして何よりも著作目録が完璧でした。合掌
2019/07/02
小鈴
高橋源一郎談。「橋本治の熱狂的なファン、ストーカーに統合失調症みたいな人がいて、毎回その人に付き合って何時間もずっと話していた。橋本さんは、医者でもないのに、そういう人をその言葉の壁から出させようとしたんです。でも、橋本さんが批評でやっていることってそういうことでしたよね」。あと、私は小説読みではないが、たまたま巡礼を読んで初めて小説を読んで震える体験をした。日本の文学の中では異質な小説だったんですよね。それを改めて再認識しましたが、2010年のユリイカ橋本治の栗原裕一郎が既に言っていた(笑)。
2019/06/07
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