セックス神話解体新書: 性現象の深層を衝く
セックス神話解体新書: 性現象の深層を衝く / 感想・レビュー
nobody
腐るほど詭弁を読んできたが、これは狡知が極まっている。話芸的に筆を運んでおいて巻末部にきて意図的に専門色を強め衒惑し印象操作を謀るなど実に手慣れたやり口である。いわゆる陰謀論者同様とりあえず体系を一貫させることのみに全精力を注ぐが、とにかく内実は無茶苦茶だから必然的にコジツケだらけとなる。同じ事象から黒とも白ともいえ(例、P197)、矛盾フルOK(例、P185)なのだから何でもいえる。私は魔女狩りについては森島恒雄『魔女狩り』を、本能に関しては時実利彦『人間であること』を読んだから騙されぬが、つまり著者は
2022/11/09
かめすけ
30年以上も前の本なのに、古さを感じさせないところが今のフェミニズム₍と日本社会₎を物語っているなあ...と悲しくなったりもしたが、性に関する矛盾や差別をズバズバと切っていくのが痛快。特に第5章「性欲は本能か?」が面白かった。p148-149「野生児はなぜセクシュアリティを持たなかったか。結論から言えば、彼らが言語を持たなかったからです。」、「言語が獲得できないと性的アイデンティティも持てないのです。自分は何である、という定義をもてないからです。」、「性的アイデンティティをもてなければ、言語ももてない」→
2019/09/30
akubineko
フェミニズムの古典的書物だけれど、全然古くない。ってことは、女性を取り巻く社会的状況は80年代と、少しも変わっていないということ?!わざわざ書庫から出して貰った甲斐ががありました!!「門限、いやでしょ?洗濯いやでしょ?お皿洗いいやでしょ?だから、させるのよ。そうやって感覚を鈍くして、人に従う女になるのよ」なんて、至言ですね。そうやって女は作られるのかぁと、納得しました。この本は文庫で買って、読み返す本ですね。
2012/10/23
penguin
80年代後半に書かれたもの。ですが、書かれている事は決して古くありません。鋭い分析と平易な文章なので、ジェンダー入門書としては最適だと思ったり。しかし、20年経っても何一つ女性を取り巻く状況に変化はないんだなぁと、ちょっと痛かったりもします。
2010/05/11
pom
腑に落ちることが色々ありました。偽善と脅しと差別観に満ちた性教育ならしない方がまし。愛という名の献身はただのイデオロギーの押しつけである…「女性は穢れているか?」の章は目から鱗が落ちました
2014/09/08
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