アダルト・チルドレンと家族: 心のなかの子どもを癒す
アダルト・チルドレンと家族: 心のなかの子どもを癒す / 感想・レビュー
みゃーこ
なんか家族の中に潜む病理について考えさせられる。社会の最小単位である「家族」という集団の中の人間関係で形成されていく人格の基礎を振り返ると誰でも少しは落ち込むものでできればやり直したいと望むんだろう。きっと…。自分がこんなんなのは自分のせいではなかった。というアダルトチルドレンという概念はある種の自分への免罪符を与えられるセンセーショナルだったが、「で?」というところでやはり傷は癒されて恵みにしていかないといけない。人間によって傷つけられ、そしてまた人間によって回復させられていくしかないのだろう。
2013/07/21
カッパ
1996年の本ということで今からいうとなんと20年くらい前の本である。今でこそ疾患に関わる沢山の職業の教科書に書かれてるくらい浸透していることが書かれている。今でも色褪せない内容だ。この本の功績は大きかったのだろうなと感じてしまった。
2017/01/31
nobody
日本社会にはパチンコが存在している。従って権力=体制が悪であることは自明である。なぜ権力はアダルト・チルドレン(AC)を放置しているのか疑問だったが、問題化するどころか推奨していたのだ。ACは差別や戦争と違って根絶できる。あるアメリカの精神科医が「これから三代にわたって親たちが子どもを虐待することがなくなれば」と言う通り。だがACは「他人(権力)にとって都合が良い」。なぜなら「他人の役にたっていないと生きていてはいけないような気がする」という心性を形成するからである。必然的に斎藤の所論は政治性を帯びる。
2018/07/11
maimai
幼少期に暴力や虐待を受けた子供は心に傷を受けたまま大人になるみたいです。こうした人をアダルトチルドレンと呼び、人間不信や犯罪に走るといった問題を引き起こすみたいです。そしてアダルトチルドレンの子供もアダルトチルドレンとなりその連鎖は続くみたいです。反抗期のないいい子は危なく、自我を持てないことで統合失調症などの精神病に苦しむみたいです。自分も言いたいことが言えず、人の顔色をうかがってばかりの苦しかった時期があったので、アダルトチルドレンで苦しむ人が少なくなることを願っています。
2015/07/29
芋猫
著者は、依存症大国アメリカで見出された共依存やアダルトチルドレンという概念を日本に広めた第一人者とのこと。この本も26年も前の著作だが、アダルトチルドレンが見出された経緯や依存との関連性、実例、回復プロセスなど、専門性はそれなりに高いけど網羅的にとても分かりやすく書かれている。実例は読んでいてキツいときもあったけど、自分の違和感がどういうメカニズムで生じるのかよく理解できた。虐待は言うまでもないが、家で不安や恐怖ばかり抱いていた記憶がある人、生きづらさの原因は家なのではと感じる人には、読んでみてほしい。
2022/07/15
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