聖書の構造分析 (文化人類学叢書)
聖書の構造分析 (文化人類学叢書) / 感想・レビュー
そんれい
社会人類学者であるリーチによる聖書神話の構造分析。「この構造分析で明確にしようとしているものは、初代キリスト教会の神父たちは当然視していたが、聖書を読む後代の人々の多くには認識できないコード化されたパターンなのだ」と著者はいう。聖書の知識がかなりないと切り取った一部しか理解できない。
2020/12/12
roughfractus02
語り手と読み手が織りなす物語要素が広範で深い信仰を作り出してきた聖書には、人間が作り出す線状の時間意識や語り手が背負う歴史と世界観の共有が含まれる。が、他の宗教の語り手の世界観を複数知る人類学者が聖書を読むと、語り手と読み手が作り出す物語のエピソード的要素や時間系列、語り手の生きた世界の背景を超えた構造を通して、多数のパターンが夢のように蠢いていることがわかる。歴史と構造を背反させ、人間の認識を前提とした物語の排除が批判される本書だが、人間の認識次元では見えない宗教を生み出すヒトなる生き物の無意識に迫る。
2024/03/31
k3030t
文化人類学のレポートとして読んだ。聖書に精通し、なおかつ構造分析に長けている人向けであろう。 僕みたいな一介の学生が読むものではない。 夏休みが潰れた。
2010/08/01
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