文学的商品学
文学的商品学 / 感想・レビュー
ばりぼー
「日本の現代文学がモノ(やや高級ないいかたをすれば消費財)をどう描いているかを観察してみよう」というコンセプトで、あえてストーリーを追わずに徹底して細部にこだわった痛快な文芸評論。例えば「飽食の時代のフード小説」では、「食べ物は(性的な)記憶の再生装置」であり、「暗喩はもっとも手軽に『文学らしさ』を演出する方法」であるが故に、「料理とは人生である」などとくくると、通俗的な人生論好きな読者には喜ばれるだろうが陳腐化は免れず、「文学は暗喩から腐っていく」なんていう容赦のない指摘も。刺激に満ちたピリ辛本です。
2016/05/07
おかむら
小説の細部(ファッション風俗食べ物など)に着目した文芸評論。渡辺淳一の「失楽園」が「服がダサい」とバッサリひどい言われようで楽しい! あとホテルの章も楽しい。むしろ読みたくなりました平岩弓枝の「花ホテル」。ところでこの本図書館で借りたのですが、わりとすごい乱丁本(出だしから頁が飛んでて、途中に挟まってた)で驚いたよ。2004年の本なのに、なぜ今まで誰も図書館員さんに指摘しなかったのか謎。つーか私ももしかしたらブックポストにそのまま返しちゃうかもしれんが。いやいややはり言っとかないといかん。
2016/05/20
空箱零士
作品に出てくるモノを描写する文章から小説を読み解いていこうという一冊。小説でファッションを書くことの難しさや、バンドやバイク、野球の書き方から見えてくる物語の構造、衣食住の書き方に作者のセンスが露骨に出てくる点など、書き手として軽視出来ない観点ということがよく分かる。淀みない物語を書こうが、流麗に心情を書こうが、さりげないところから、その作者の性根が伝わってしまうものなのだ。たかがデティール、されどデティール、ここを疎かにすると、想像以上にデカイしっぺ返しが返ってくる(哀れみの目で『失楽園』を見ながら)。
2018/07/31
へたれのけい
またまた手にしてしまった「斎藤美奈子」。そう簡単には消化できません。いや、きっとお腹を壊します。正露丸の瓶を片手に読むのが賢明か。…でも読みたくなるんです。
2019/01/06
金平糖
B.
2021/02/11
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