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ラカンはこう読め!

ラカンはこう読め!

ラカンはこう読め!

作家
スラヴォイ・ジジェク
鈴木晶
出版社
紀伊國屋書店
発売日
2008-01-30
ISBN
9784314010368
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ラカンはこう読め! / 感想・レビュー

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Aster

面白い。その通りラカンの読み方(英題)が分かる。『ポストモダンの共産主義』もそうだがジジェクは扱うテーマからよく脇道に逸れる。ただ本書は章分けを沢山してくれているので比較的読みやすい。しかも具体例が多い。ジジェクの具体例の効果的な使い方はジジェクの魅力を存分に表している。相対性理論のアナロジーを出してきた時は「おっと〜…?」と思ったが、基本的に本文の邪魔をしない例示がとても良い。三界や超自我のラカン的用語の説明だけでなく、タイトル外の意味として、純粋に文学作品、映画などの読み方も提供してくれる。

2020/12/09

踊る猫

ジジェク出しゃばり過ぎ。ラカンについて丁寧に語るというより、ジジェクがラカンの理論をどう使い倒して状況を分析しているかに比重が置かれている。だからラカンの入門書ではない。ジジェクの入門書として読むのが相応しいだろう。ジジェク節は好調で切れ味鋭くなんでもぶった斬って行くが、単にジョークが巧いだけの人、逆説的に物事を語って相手を煙に巻く人でしかないような気もしてしまう。だからジジェクの思想は面白いと言えば面白いのだけど、使い道が見当たらない(日本で言えば橋本治氏的な存在か?)。まあ、エンターテイメントではある

2017/09/25

Don2

久しぶりの人生を変える読書だった。初見で意味がとれず、章ごとにノートを取りながら読む。私の世界は何はともあれ私を起点とする一人称視点から広がり、その視野は言語によって意味化されたり、されなかったりする。そこには他人や現実という不可知領域があり、私はその不可知に対する期待と失望、あるいはそれらからの(空疎な)眼差しを受けて倫理的な判断を下す。<大文字の他者>とか<対象a>など、聞いたことはあれど全く分かってなかった言葉を道具立てとして描かれる"客観"のない精神分析の世界が、新鮮かつ説得力を持って迫ってくる

2024/11/10

篠田イツキ

入門書かくたるべしというものでは決してないけれども、昔の人の考えを現代のいろんな「現象」にあてはめて解説するのは、哲学の<やり方>としては正しいのかなぁと思ったりします。ジジェクという人を初めて読みましたが、大変おもしろくて、ジジェク入門として大変よろしいかと思います。そして、ラカンはこう読め、はもちろんですが、古典はこう読め、ということも教えられているような気がします。ちょっとした引用文を、色々な例えを駆使しながら解釈していくスタイルは、普遍的です。

2019/03/16

Ecriture

この本がラカン入門ではなくジジェク入門だということはわざわざ言う必要はあるまい。ジジェクを読んできた方ならお気づきだろうが、これはジジェクの調子こいた下品なジョークを1冊にまとめたものである。私たちが持つべき疑問の一つには「何度同じ話をするんだこいつは」というものがあろう。しかし、その反復には差異が宿る。ジジェクの新刊という名の堂々たる反復は、それ自体差延の場だと言えよう(笑)もう一つ、「なぜジジェクはラカンという対象aを笑い飛ばせないのか」という発問ができればほぼジジェク免許皆伝である。

2009/03/07

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