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虚実亭日乗

虚実亭日乗

虚実亭日乗

作家
森達也
出版社
紀伊國屋書店
発売日
2013-01-11
ISBN
9784314011006
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虚実亭日乗 / 感想・レビュー

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踊る猫

この著者のいい意味での鈍臭さが全編を貫いていると思う。事務的に言ってしまえばリベラルな左翼的主張(著者は「どこが?」と反論するかもしれないが)が連ねられているのだが、鋭い批判精神に支えられていながらその筆致は華麗なレトリックを駆使したものではなく、どこかとぼけた風情を漂わせながら「虚実」の間をスルスルと抜けていくような、そんな一冊に仕上がっているのだ。技巧を活かしたものとして、つまり意図的にこう書かれたというよりはこの著者の「素」が出ているのだと思う。果肉の部分である批判と、侮れない贅肉の旨味がマッチする

2021/05/12

しーふぉ

ドキュメンタリー映画の監督のエッセイ。死刑廃止についての持論など。先進国では死刑制度がある方が珍しいらしい。日本では切腹で罪に対し命で贖う文化があったから廃止とならないのかな。

2017/02/11

阿部義彦

監督兼ライターの森達也さんの日記の形を取ったメタフィクション。元は紀伊國屋書店出版部の無料冊子「スクリプタ」の連載。ここでは主人公の名前は森達也では無く、緑川南京になって、この森達也とほぼ等身の緑川という男が身の回りに起こった事を記録していくという形を取っているが、可也フィクションの部分が混じっており、中南米のマジックリアリズムの様な現実と虚構が地続きになる酩酊感がある中で、死刑、テレビのヤラセ、自転車による事故、海外へのレポ、等を語る、作中にはリンゴ・スターやダリも登場。前衛的な夢の自動書記?

2022/12/17

kiho

あまり森さんの作品を読んでなかったので、引き込まれた…というか、色んなインパクトを受けました☆本質的な事を気づかせてくれる一方、思いもかけない思考の展開に驚かされたり…「ひっかかる」ことの重要性と、そこからの脱線の面白さ!深い本だと思う。

2013/10/27

あきこ

作者の日常のひっかかり、を主題にした日常エッセイい集。内容はもちろん森達也全開でした。 日頃、当たり前のように過ごしている毎日に少しの気づきを感じさせる。 マスコミのくだらないことに加熱する報道は、もっと大勢の人に叫んでもらいたいなと思う。 またこの本を読んでラジオを聴いてみようかなという気にもなった。 作者を鋭いけれど時折鈍い、と称した話、なんだかうなづけて面白かった。そのギャップも魅力の一つです。

2013/03/04

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