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愛するということ

愛するということ

愛するということ

作家
エーリッヒ・フロム
鈴木晶
出版社
紀伊國屋書店
発売日
2020-08-28
ISBN
9784314011778
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愛するということ / 感想・レビュー

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さゆ

フロムによる愛とは、理性は矛盾や差異をとらえるに限る(大きい小さいなど)ため、それを越えた合一体験にあるという。そして、愛されるではなく愛するという能動性の信念が、不確定な未来を保証するものとして愛する技術となる。趣味嗜好や少子化で合一体験なるものが遠い現代に、愛はあるか否か。

2024/05/06

なかしー

読んでいてザ・ドイツ人って感じな表現であり、それに伴って訳も硬派な感じ(偏見)例:ドイツ語特有の断定(〜だorである)や義務(〜ねばならない)が多く、言葉の定義がカッチリした言語体系なのかな。そんな生真面目さもあってか?「愛は技術」だという前提のもと知力と努力で習得可能と解くのが本書。読んでみたけど、幼稚や未成熟な愛など様々な習熟度?対象別?に種類があり、実践してステップアップしながら、成熟した愛へと発達する。最初はなんか俗物的思ったが、理論と修練方法はなんとなく知れた。※出来るとは言っていない笑

2024/10/27

踊る猫

訳者が指摘するように、まだ同性愛が逸脱・異常と見なされていた時期の仕事ゆえの難点は無視できない(あるいは、まともに恋愛できないと本書で指摘されるサディストやマゾヒストに関して「彼らの」声を代弁する作業もまた必要だろう)。だが、それを踏まえてもいまもなお読ませ、考えさせる強度を備えた仕事であると唸る。個人的な経験に属する愛をここまで一般化・普遍化して平たい図式として展開し、そこから現代社会がはらむ異常・病理まであぶり出すその手つきに舌を巻く。そして、そんな時代においてこそ自分の実感に誠実に向き合う必要がある

2024/04/21

ネジ

★★★★★ 愛は自然発生するものではなく、技術であるとし、その理論と習練を語った内容。真に人を愛する人は現代において稀な存在なのだと知った。 ①母親の愛:無条件に与えられるものであり、子どもは自分の無力さを感じる。 ②父親の愛:思考と行為を導く命令であり、子どもの行為の動機は父親からの承認である。 ③成熟すると親からは自由となり、自身が自身の親となる。成熟した人間だけが人を愛することができる。現代人は親の愛が欠如し未成熟なまま、相手に偽の愛を求める。それは、資本主義社会上ではごく自然な現象である。

2023/11/05

テツ

どんな形であれ愛には多少なりとも狂気的な想いが含まれるものなのだろうけれど、そうした感情について理知的に論理的に思考し説いてくれるフロム。愛するということは技術であり能動的な行いであるということ。誰かに何かをしてほしい、自分を気にかけてほしいという願いは愛ではなくただの欲望だ。ただただ与えること。何も望まずに、誰かがただ在ることのみを願い喜び続けること。一朝一夕で至れるわけではない。きっと人はみな人生を通してその技術を磨き上げていかなければならない。

2020/11/24

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