野火 (日本の文学 19)
野火 (日本の文学 19) / 感想・レビュー
chimako
1975年初版「日本の文学 大岡昇平」にて読了。「野火」「俘虜記」収録。どちらも戦争の狂気と悲惨(悲酸)の中で、死に至らなかった者の心を裏返して曝け出す。「野火」は「人喰」を軸に泥沼の戦場の様子や死に行く者たちを 窮極を生きる観察眼を持って描かれる。そこに宗教が絡み付き戦後生まれの読み手を打ちのめす。戦争とは何があっても不思議はない日常を越えたところに有るのだろう。だが、普通に喉は乾くし腹はへる。生きることへの執着と諦めの境目は何だったのだろうか。何とか昼間に読了。夜は本を開く気持ちになれなかった。
2017/09/26
うっちー
70数年前には、こんな想像も出来ないほど苛酷な状況を体験した日本人が大勢いたということを忘れてはいけないと思う。
2017/08/22
感想・レビューをもっと見る