民主政の不満 下―公共哲学を求めるアメリカ
民主政の不満 下―公共哲学を求めるアメリカ / 感想・レビュー
東岳
日本では、野党再編がささやかれはじめました。 党名をどうするか、みたいなことも話題のようです。しかし、仮に再編をするにせよ野党は「非◯◯の思想」今回ならば非自民ともいうべき消極的あり方からまずは離脱すべきです。 「◯◯じゃない!」ではなく「◯◯すべきだ!」へ移行しないと勝ち目はありません。 選挙戦術は重要ですが、野党の方々はまずこの本を読んで自らの「正義」をたててほしい。 殷鑑遠からず。民主党の失敗にあり、です。 民主党にも「正義」はありました。足りなかったのはこれを共有することです。同じ轍をふむなかれ
フクロウ
ジェファソンやマディソン、ジャクソン、リンカーン、労働騎士団、ブランダイス、ウィルソンとルーズベルトまで、アメリカの政治=経済政策の言説は、共和主義的理想のもとで形作られてきた。しかし後期ニューディールに至り事態が一変し、消費者主義とケインズ財政政策が合体し、現在の「成長か分配か」という手続的共和国のリベラリズムを作り上げた。ロールズの平等主義的リベラリズムはこのケインズ経済学アメリカ版の哲学による追認とも見うるのである。こう見てくると、むしろリベラリズムではなく共和主義こそがアメリカの伝統に馴染み深い。
2021/09/08
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