コミュニタリアニズムの世界
コミュニタリアニズムの世界 / 感想・レビュー
有智 麻耶
サンデルを中心としたコミュニタリアニズムの思想を論じたもの。コミュニタリアニズムというと、日本では「共同体主義」と訳されることが多く、そのイメージは決していいものではない。しかし、個人を抑圧して共同体の利益を優先するという思想ではなく、むしろコミュニティ構成員の熟議によって共通善を作り出し、絶えず更新しながらみんなでそこに向かっていく、という思想であることがわかった。民主主義と決して矛盾するわけではないのだ。それどころか、リベラリズムとも接続可能であるという意味で、さらなる研究が待たれる思想であると思う。
2016/07/15
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