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〈魂〉に対する態度

〈魂〉に対する態度

〈魂〉に対する態度

作家
永井均
出版社
勁草書房
発売日
1991-02-16
ISBN
9784326152476
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〈魂〉に対する態度 / 感想・レビュー

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ころこ

勁草書房から出た2冊目ですが、今思うと1冊目も読み辛く、この本も読み辛いのは間違いありません。ニーチェに代表される道徳論のラインが1章で登場しますが、なかなかハイコンテクストで読解するのが厳しいと感じました。3章で独我論のラインがあり、間に挟まれた2章で柄谷行人やクリプキが出てくるのが意外ですが、その後の著作でもっとこなれた表現で論じられるのを拾い、棄てられたものは拾わないで十分だと思います。著者の場合、表現の難しさと思考の独自性が繋がっているので、全てを理解したいという誘惑に駆られます。また、いずれ。

2020/11/12

田畑

永井さんが哲学問題について善なる嘘をつかないが故にしばしば読者は謎に際悩まされてしまう。つまり、読者は身体的連続性・時間的連続性を本質として備えていない開闢の地点に立たされ孤絶感に囚われる。〈私〉は他人に対してどのような態度をとればここから脱出できるのか。本書を読んでも、ちっとも掴めなかった。そもそも主題はそこではない。結局、自分で落としどころをつけなくてはいけないことを悟らざるをえないのである。永井哲学に救いを求めるべからず。

2014/02/24

テツ

しばらく前に講義を受けたので久しぶりに永井均。こどもの頃に「他人の気持ちを考えなさい」と叱られたときにぼんやりと心に浮かんだ疑問を他人が言語化してくれていたことに初読のときはちょっぴり感動した。自分自身と対等な他者、他なる独在など存在する筈はなく対等な他者など存在しない。どうあがいても相互理解など存在しない。これは絶望的な言葉ではなく救いでしかなかった。「ああ、そうだよな」と安心することが出来た覚えがある。永井さんの文章に馴染める方にはオススメ。違うベクトルで気分が楽になる。

2015/05/08

よしむね

途中の柄谷批評は、あたかもカントvsニーチェの代理戦争だw1990年ですでにポスト真実の話をしていて感動した。僕らの正しさは映像の世紀の末には虚構の上に成り立っていたのだ。若者の恋愛がメロドラマによって平均値を取っていくように。。。21世紀は情報過多もとい虚構過多の時代なのだから、自分にあった虚構を見つけることが幸せへの道なのかな。個々人の価値観に最適化された虚構が新しい美醜を決めるの形になる。ん、転倒してる。その価値観も虚構でできてんのか。幼児教育って大事よね〜。

2017/04/15

袖崎いたる

永井均。この人の著作に哲学することのセンスを読むことは楽しい。収録論文の合間に学会での質疑応答が載ってて、そのやりとりも楽しい。他の哲学者との交わりへの謝辞じみた文章が前書きにあったりし、感動する。この本の前書きも良い。論文とはこういうものだ、という話が効く。議論の発火点であれ。ふむ。冒頭の道徳批判の論文もすごい。哲学史全体への痛烈な一撃。

2024/06/26

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