現代哲学基本論文集〈1〉 双書プロブレーマタ
現代哲学基本論文集〈1〉 双書プロブレーマタ / 感想・レビュー
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従来の哲学における内包/外延関係を、意義(表現関係)と意味(指示関係)に捉え直したフレーゲの功績は、ラッセルの指示の考察やラムジーの事実と命題の「真理の剰余説」等、言語哲学と意味論の流れを作り出していく。シュリュックの現象学批判が分析/総合という同じ枠内を巡っている点等、後のクワインやデイヴィドソンの批判を思い起こさせる。カルナップとノイラートの物理主義を巡る「統一科学」の構想は当時の形而上学批判を共有している点も確認できる。20世紀初頭のイギリス、ドイツ、オーストリアに始まる分析哲学の重要文献を収録。
2017/02/20
☆☆☆☆☆☆☆
分哲の基本論文集。現象学寄りの自分としては、ボコボコにされててちょっといたたまれなかった。ともあれ勉強になりました。
2014/06/23
田蛙澄
ローティの『哲学と自然の鏡』を読んでいてやはり論理実証主義あたりの細かい知識が足りないなと思って読んだが、思ってた以上に刺激的で面白かった。特にラムジーやノイラートの発想がその後論理実証主義とは別方向のプラグマティックな方向に分岐していく端緒だったという感じがする。 カルナップの統一科学の発想もきっとリアルタイムならすごいユートピア的に感じただろう壮大さがあってなかなか魅力的。
2021/05/07
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