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ろうそくの炎がささやく言葉

ろうそくの炎がささやく言葉

ろうそくの炎がささやく言葉

作家
管啓次郎
野崎歓
出版社
勁草書房
発売日
2011-08-08
ISBN
9784326800520
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ろうそくの炎がささやく言葉 / 感想・レビュー

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しいたけ

帯には「東北にささげる言葉の花束」とある。ろうそくの灯りに揺らめく言葉は、けれども花束とは程遠いと思っていた。人が心に詩を失ったとき、それでも詩人は詩をしぼり出す。灯りの周りの拭えぬ闇。絶望へいざなう圧倒的な虚無。詩人として、人として、誇りをかけて紡いだ言葉の束。灯りの揺れを瞳が追う、生きているという証。灯される暖かさ。ああ、そうか。だから花束なのか。

2018/03/04

森の三時

この本は、東日本大震災の後、「人間のひとりひとりはあまりにも弱いので、私たちは感情をも言葉にして分かち合い、そこから力を汲み上げる工夫をしなくてはなりません。その作業に直接役に立つ本を作ろう。例えば、しずかな夜にろうそくの炎を囲んで、肉声で読まれる言葉をみんなで体験するための本を。」(編者あとがき)という企画からうまれたものです。その呼び掛けに応えた31人の作品群。この本の中からいろいろな言葉が押し寄せてくる。真正面から感情を受け止めようとすると、今の私では漂流しそうになり、全てを読むことができなかった。

2017/01/03

空崎紅茶美術館

言葉で人を救うことはできないかもしれない。空腹が満たされるわけでもない、圧倒的な絶望の中では何の役にも立たない。けど、それだけで救いたいと思う。救われたいと思う。誰かのこころに響くことを願われた言葉たち。蝋燭の炎は弱く、照らせないものの方が多い。一寸先は闇だ。しかし、人がそれを覗くとき、決して闇を見ているわけではない。その向こうの何か、自分の存在よりも大きなものを見ている。

2011/10/11

ひろみ

なにもできないけれど、なんでもできる。川が川に戻る最初の日。その光景を思い描きながら、言葉もそんなふうに溢れて流れて届くものだと思った。

2016/07/27

niaruni

この本に関連する朗読会に足を運んだ。当事者でもないのに、不覚にも涙があふれた。詩のことばはことばとして発声されたときに、文字とはまた別の、強烈な力を持つのだということをわが身を通じて体感した。詩は力だ。

2012/05/02

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