吉本隆明全著作集 8 作家論 2
吉本隆明全著作集 8 作家論 2 / 感想・レビュー
ダイキ
吉本は自分が戦中に愛読していた高村光太郎、宮澤賢治、保田與重郎、小林秀雄、横光利一、太宰治といった作家達の中でも高村の作品に突出した意義を認めているのだけど理解し難い内容だった。保田が『日本の橋』以上の比較文化論に踏み出さなかった事や、小林の『本居宣長』の閉塞感を繰返し批判する吉本が漱石の様に西洋との衝突を直に味わい、近代日本の社会問題に直面したという高村に戦後的な意義を認めるのは理解出来るのだけど、引用作品を読んでみても吉本がいう程の意義が私には見出せないし、拙劣な戦争詩まで深長に論じているのは不可解。
2018/11/06
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