新訳 ソシュール 一般言語学講義
新訳 ソシュール 一般言語学講義 / 感想・レビュー
amanon
小林訳から44年、マウロ版から40年をへてようやく新訳が出た『一般講義』。あの読みにくいこと夥しい、小林訳に悩まされたのは一体何だったのだろう?」と思うことしきり。それくらい今回の訳は読みやすいのだが、しかしそれでも言語学やヨーロッパ諸言語の素養がある程度ないと理解は難しい。丸山を始め、ソシュール言語学入門書は山程あるが、実際のところこの『講義』を理解するのにさほど役に立っていないのではいか?という気になる。できれば、この『講義』を理解するための副読本的なものが欲しい。これは手元に置いて繰り返し読む書。
2017/02/12
やまやま
言語活動(ランガージュ)は言語(ラング)と発話(パロール)の総体であり、言語学はまずはラングを扱う(定義可能で分類可能である対象)とした序論から、音韻論に続く。音韻論の理解は難しかったが、音素の連鎖において、その発生現象に(個別言語ごとの)規則的な特徴があるのでは、ということに感じた。第一部の一般原理は記号論のところなので、これは有名な部分。次の共時言語学では一般原理が例を持って展開される。通時言語学では、再び音韻論に戻り、音素の歴史的変化を議論する。言語地理学は興味深いが、どこまで依拠するか。
2019/07/14
Yoshi
ソシュールって、とても有名で、構造主義の創始者的存在なんですが、自分で書籍を書いていないらしく、講義ノートが元になっているらしいんですね。内容より、その知識の伝承のほうに興味が湧いた。
肉欲棒太郎
ランガージュ、ラング、パロール、シニフィエ、シニフィアン、共時態、通時態、、、。悪文と名高い小林訳を私は読んだことがないのだが、本書の訳文は読みやすい。脚注で訳者が「ソシュールはこう言ってるけど、実際には…」みたいに結構厳しくツッコミ入れてるところが個人的にはツボでした。
2018/12/22
ちょっかん
小林英夫訳と比べると断然こちらの方が読みやすい。また著者のソシュール理論に対するコメントもとても参考になる。
2018/06/18
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