ことばの歴史: アリのことばからインターネットのことばまで
ことばの歴史: アリのことばからインターネットのことばまで / 感想・レビュー
paluko
世界の人口が増え続けるにつれ言語の数は減り続けている。273頁「本当の少数派の言語、つまり話者人口が二万人以下の言語の場合は(略)完全に隔絶すれば保存できる。それ以外の場合は何をやっても確実に死に向かう」274頁「言語はまた一度滅びると、「復活させる」ことはできない」そしてついに「今後、おそらく二十四世紀の後半には、英語だけが世界でただ一つの現用言語として、その手話とともに残るだろう」(304頁)。うーん……はたして「バベルの塔」の神話は巻き戻されるのか?
2020/12/29
刳森伸一
動物の鳴き声などの原始的な言葉に始まり、言語の未来までを概観する。専門的な言語学に入る前の準備を目的としていて、予備知識のいらない作りになっている。超ド素人の私でも読めたので目的通りの本になっていると思う。個人的には、「プロパガンダと言語」のような言説もある「社会と言語」の章に最も興味がいった。
2017/05/19
Akihiko Ito
大学の教養課程で使った本を引っ張り出して読み直した。当時全部読んだ記憶はなく、読むように言われた章だけ流し読みしてたと思う。 動物たちがどのような「言葉」を使っているかということや、進化とともに人間がどのように言葉を発達・変化させてきたか、そして現在どのような変化が起きつつあるのか、ということが平易な言葉で語られている。 翻訳も特に序盤は翻訳書とわからないほどこなれていて、終盤にかけて誤訳と思われる箇所や不自然な点はあるものの、全体を通して読みやすくて良い。
2023/06/18
ネオおしりいぬ
馬のコミュニケーションの研究を使って調教にかかる時間を短縮した話が面白かったな。
2011/05/21
doji
数千万年分の歴史が語られるのだから、とても壮大な視点からことばの変遷を概観していく。さまざまな視点で語られてはいるけれど、ぼくとしては社会の中での言語、アイデンティティと切り離せないものとしての言語についての記述がとても気になった。世界言語としてのすべてのことばがひとつになることなんてあるのだろうか、著者の最後の章のことばをしばらく考える。
2018/01/18
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