ファンタジー万華鏡
ファンタジー万華鏡 / 感想・レビュー
Mana
ファンタジーについての文学論みたいな本。とてもしっかりした本で興味深かった。ダイアナ・W・ジョーンズの作品をけっこうけなしている感じだったけど、私はそこまでひどい作品だとは思わなかった。たしかにアミューズメントパーク的で現実感の感じ取りにくい部分はあるけど登場人物の心理はけっこうリアルだと思う。魔法使いは誰だもとても面白かった。十二国記の世界設定の分析はとても良かった。今まで意識せずに読んでいた部分を明朗に説明してくれた感じ。読んでて凄く納得した。
2012/06/16
本とフルート
『ファンタジーを読む』に続いて、井辻朱美さんのファンタジー評論の2冊目。十二国記がしっかり取り上げられていたのが良かった。反論もないではないが、だからこそ十二分に読み応えがあった。次々と知らなかった読みたい本が出てくるのが困るが、それも醍醐味の一部だろう。
2021/03/31
すがし
極めて精緻なファンタジー論。で、ありながらいささか論が主観的でありすぎはしないか? ダイアナ・ウィン・ジョーンズはキャラクターに重みがなく軽いと批判した(ように読める)のに、十二国記をリアルではないからすばらしいと絶賛したり、この人の価値判断の基準がどこにあるのかよく分からない。ただ、自分にとって大変示唆に富む内容であった事もまた事実である。
2010/08/02
aoyami
比較文学の本。3次元性を重視して書かれた指輪物語から、2次元的死生観を持つ現代ファンタジーへ。地底と時間、最新科学との相性の良さ、ファンタジーが読者にもたらすもの、読者がファンタジーに期待することなど多角的視点から。読んでみたいファンタジー小説が増えた。
2010/07/13
くろなつ
ファンタジー論。比較文学。緻密に論が組み立てられているのが好評価。だけどちょっと論の展開が主観的かもしれない。それを覗けば多角的な視点で書かれているので興味深い。
2010/09/05
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