わが生涯 (2)
わが生涯 (2) / 感想・レビュー
Masashi Onishi
トロツキーとレーニンが目指した革命はついに敗北する。勝利したのは、妥協的、俗物的なスターリニズムであった。新興ソ連から追放され、査証なき惑星をさながら不沈の衛星のごとく彷徨うこととなる、革命の孤独なストイストの激白である。悲劇的で血生臭い権力闘争が続くなか、組み込まれた一編の鴨猟の描写は、盟友レーニンの素顔を描いた貴重な一編であるとともに、美しく哀しい散文詩である。
2015/02/12
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