大相撲と鉄道 (交通新聞社新書150)
大相撲と鉄道 (交通新聞社新書150) / 感想・レビュー
パトラッシュ
テツ本は数あれど相撲と鉄道の関りを描いたものは初めて。地方場所と巡業で年の半分以上が旅空にある力士や行司は、日本で最も旅暮らしに明け暮れている。大人数で各地に向かう一行の輸送から宿泊、食事までを差配する行司の役割は団体旅行のツアーコーディネーター兼添乗員であり、実質的に旅行業務取扱管理者として活動している。特殊な集団が滞りなく旅するため積み上げてきたノウハウの数々は真似できないものばかりで、一般の旅行代理店など口を挟めない。有名力士たちの抱腹絶倒なエピソードも満載で、相撲と鉄道と旅行ファンすべてに楽しい。
2022/01/16
おかむら
もしや交通新聞社新書最大のヒット作か!現役の行司さん(趣味が鉄道)が書いた、相撲取りの鉄道移動だけに特化した本。コレが実に楽しい! お相撲さんは一年中、本場所や地方巡業で鉄道に乗っている、とか、行司さんの仕事に「輸送係」という切符の手配など移動の全てを仕切る係かあるとか、へえー! 新幹線にお相撲さんがぎっしりみっちり乗ってるのを想像しながら読みました。体重別座席指定のパズルやってみたいわー。能町みね子がイラストとインタビューを担当。輪島関の話がとにかくオカシイ!
2021/11/25
gtn
相撲列車や輪島を始めとする当時の現役力士のエピソードが最高。著者も、峰崎親方が現役時代から鉄道ファンだということを知り、同部屋に行司として入門したというから筋金入りである。趣味と実益を兼ねていることや、師弟で共感できるものを持っていることが羨ましい。
2021/09/01
Roko
普段わたしたちが目にする大相撲は本場所だけですけど、力士たちは年三回の地方本場所(名古屋・大阪・福岡)と地方巡業で日本国中を旅しています。彼らの移動手段(列車・飛行機・バスなど)を手配しているのは行司さんなのだそうです。200名以上の切符の手配も大変ですけど、それよりもさらに大変なのが席割りなのだそうです。部屋単位でまとめなければならないし、そもそも身体が大きな力士たちですが、その中でも大きい人が並ばないようにという気配りも大事です。
2023/09/11
Toshi
ドラマ「孤独のグルメ」で、ユースケ・サンタマリア演じる行司が相撲部屋の巡業手配に奔走するのを見て、行司がそんなことまでやるのかと、実態を知るべく手に取った。鉄ちゃんの相撲取りの話ではありません(行司である著者は鉄ちゃんですが)。序章で既に情報過多。行司の仕事は巡業の手配以外にも、場内アナウンス、番付表作成(例の相撲字を書く)、所属する相撲部屋の後援会との連絡等、実に多岐に亘り、まさに相撲界の事務局。本編は相撲取りの鉄道移動の微に入り細に亘るノウハウと、面白エピソードが満載。読めば誰かに話したくなる一冊。
2024/11/17
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