散歩本を散歩する (散歩の達人POCKET)
散歩本を散歩する (散歩の達人POCKET) / 感想・レビュー
jam
旅では路地裏などをそぞろ歩き、その土地に息づく生活の片鱗を感じたい。だから、ガイドブックではなく紀行文やエッセイを読み、訪れる(訪れた)地に思いを馳せる。作品は「散歩本」を携えた東京散歩で、明治初期に渡来した30粒の種子から成長した「東京国立博物館のエリノキ」など、イラストと共に「本と場所」を案内する。私にとって旅は、非日常から日常に相対する場であり、見知らぬ地点に立つ何者でもない自分を確認するツール。人生は旅だと思う。されど、そこに感傷はない。あるのは現実を引き受ける覚悟だけ。人は誰しも旅の途上にいる。
2017/09/01
Kei
紀行本、散歩本が好きなので、あ〜、あれねっ、て思いながら、楽しく読みました。各著書の気持ちまで、風景に織り交ぜての検証。散歩本を散歩する。(笑)池内さんのおすすめスポットのイラストがほのぼの、です!
2017/09/16
A.T
ほぼ東京の散歩本の紹介。たまたま、わたしは都内在住だが、馴染みの薄い地域の散歩本を紹介されても興味薄い人も多いだろうな。少し毛色が違うのが、つげ義春「貧困旅行記」。無職時代、わたしもつげ義春の世界観に共感して、場末の匂いを嗅ぎに散歩していた頃を思い出した。無性に読みたくなった。
2019/09/08
阿部義彦
「散歩の達人」に連載されていたのの書籍化だそうです。散歩について書かれた本をお供に現代のその地を散歩する、時間の堆積を感じさせてかつ考現学も兼ねた大変素敵な本でした。東京限定ではありますが私も頭の中で一緒に散歩させて貰いました。私も今後は歩く速度で世の中を観察したいですね。散歩には目的など余計な事。ひたすら、ぶらぶら歩き回るのを第一と考えたいです。近頃は車万能主義と、気を反らせてひたすら時間を奪い通信料という金に変換させるスマホとかいう魔法の機械によりぶらぶら歩きは廃れるのか、私はそうはさせませんぞ。
2017/08/10
ショア
散歩の達人に連載された東京を中心に文豪たちの散歩本45冊をもとに著者が実際に散歩して記したエッセイ集。気になった本 幸田露伴「水の東京」 井伏鱒二「荻窪風土記」 今井金吾「今昔中山道独案内」 太田和彦「銀座の酒場を歩く」 構成が些か読み難い。皇居を見晴らす三宅坂の一等地に電通が自画自賛の銅像を建てているとは知らなかった。
2024/02/04
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