花暦 (広済堂文庫) (廣済堂文庫 さ 4-5)
花暦 (広済堂文庫) (廣済堂文庫 さ 4-5) / 感想・レビュー
山内正
いくら望まれたかてお八重はんより六つも年下やがな辞めた方がええんと違うか 宗十郎は見初めた うちみたいなの嫁にしたら後悔しばります 六つ上がなんやねんきっちりお父はんに頼みます 男盛りになった時八重は三十やと言いたかった 朝帰りが多くなり姑は義父に小言を言うように 子が二人持ちこれからどうすれば 麩藤の名を継ぐのは藤棚の手入を する決まりだが あたしが大事な藤観を?と義父に 助左衛門と総代がお出でになりましたと店から知らせが お八重ご苦労やが藤棚の下に水を手入を教えます 八重に千均の重みで合点させた
2022/09/11
山内正
眠れぬ床に庭の梅の香りが残り 今も佐助事を思う 絵付けを屏風に描いている 千丗は貰い子 父宗也がこの娘は 見込あると 物には特徴がある そこを描くんやええかと教える 十四で扇絵を描き欲しがる客が増えた 二十歳で佐助を婿に貰い世話をやく 義母つやは直に棘のある言い方をし 居辛くなった 親に恩を返せと迫る もう五十この先見放したらと決心が付かない 佐助は二人で家を出ようと迫るが 一人で家を出た 梅を見に天満宮へ上達しますように 境内で小枝と蕾を何枚も写し取る 門に続く道を男と女が佐助だ 身重の娘だ幸せそうに
2021/01/20
山内正
賃縫い致しますと木札を 今年の五月から町役と家主と近所の挨拶回りをし長屋の女房達は亭主に 釘を指した おひさがこれまでどう暮らしてたかは誰も知らない 駿河屋から仕立物を注文して貰う 妻もある男と人目を偲ぶ仲になり 大騒ぎに男に騙され子を生み 相手の元にいる我が子にいつか迎えにと 一生不運のままの人もいるけど 身体を大切に生きてさえいれば いい事が巡って来るもんや 見知らぬ船頭が話す もう一度生きてみろと言ってる あんたの話ゆっくり聞かせて貰う 明日は船で京へ戻ろうやないか
2021/10/07
山内正
縫物の手を止め急ぎ表へ出た兄嫁 兄の帰城だと 縁談も纏まり少して時に相手岩井家 の子息ご急死して三年が経つ 世間は岩井家を気遣い縁談話を控える 何処かへ嫁がせて遣りたいと 兄が友の小平太と城で立ち話したと 妻を亡くし娘と二人で暮してると 兄嫁に勧められ町へ出掛けた 川辺に紫の花が群生して 綺麗と 目の前を小さな女の子が川辺へ 花を摘むらしく 川に足を取られもがいた 急ぎ手を差出し引き揚げる 母上様に花を涙を流す お家は? 小平太の子と名乗る 娘の話を聞き礼を言われ 兄嫁から世間が噂をしてると あの子の為に
2021/10/02
山内正
京から青花紙を買付けに来る弥之助と深い仲になり子供が疎ましく思う 草津に嫁ぎ七年二十五のお里は 悔やみ始めた 夫も子にも邪険になる 夜中に厠に子を連れて行くのが嫌になり 厠には厠狐がいてなー お尻を拭くとき赤い紙か青い紙かと 聞いてお尻を拭いてくれると子に 二人は怖くて厠に行けないで布団を濡らす 弥之助は京に来いと誘う 桜が咲いたらと 京で二月すると夫も子も忘れる様になり髪を結い化粧をする様になる やがて弥之助の足が遠退く ふと厠に鏡を持ちお尻を見た 赤と青の痣がくっきり付いていた
2019/12/17
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