江戸にいる私 (広済堂文庫―山田風太郎傑作大全) (廣済堂文庫 や 7-22 山田風太郎傑作大全 22)
江戸にいる私 (広済堂文庫―山田風太郎傑作大全) (廣済堂文庫 や 7-22 山田風太郎傑作大全 22) / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
表題作のみ中編の短編集。未読だった表題作だけ読む。主人公は昭和四十年代の文筆家(風太郎さん自身がモデルか?)。正月に酩酊し、田沼時代に京極藩の医師としてタイムスリップ。主人公の目を通した大江戸観光(長屋の汚さもしっかり)と日本人論、日本近世論。昨今流行りの『JIN』や『信長のシェフ』と違い歴史の前では無力な主人公。風太郎小説としては珍しく余り面白いものではないが、もちろんファンには興味深い内容。
2013/03/21
hirayama46
歴史・時代小説の短編集。筒井康隆の某作を思い起こさせれる語りの妙が印象的な「山田真竜軒」、本能寺のifを描いた「明智太閤」が好みでした。表題作は昭和の社会風刺の色が濃く、現代から見るとちょっと古めかしさがありますね。しかし、田沼意次時代の歴史観についてはいまだに他の歴史小説でも深堀りされていない部分が多く、楽しめました。単純に風化しないあたりはさすがの山田風太郎ですね。
2019/09/04
gibbelin
表題作はいかにも風太郎らしい傑作ですな。
2012/05/15
まさ影
未読は表題作と「黒百合抄」だけだった。
2010/03/21
ベルるるる
表題作のみ読了。面白い。特にチャンバラシーンには笑ってしまった。水に飛び込んでも逃げる侍。地面に足が作り付けのようになって動けない侍。斬り合った侍は、小さな傷にもかかわらずテーテッテッテ・・・と大騒ぎ。ホントに笑った!長屋は、他の時代小説で、「九尺二間の棟割長屋」という言葉は何度も読んでいたが、具体的にこれほど狭いという説明に驚いた。この狭さに家族全員で暮らしていたとは・・・。
2014/07/05
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