檻の中の妖精 (広済堂文庫)
檻の中の妖精 (広済堂文庫) / 感想・レビュー
Miss.W.Shadow
エンターテイメントの完成形を見るような思いがする。団鬼六の文章を読むたびに、「適切」としかいいようのない商業作家としての巧さを感じる。どこかの著書でいわく、文学と思わず、思い入れのない文章を「仕事」として書くと馬鹿みたいに売れた、とのことだが、(細部曖昧、すみません)文学者、芸術家としての作家なら抱きがちである無駄な思い入れを潔く排しており、読者(そして嗜虐的性向者)に対するサービス精神が満点である。適切な(幻想としての)人物造形、適切な(いやらしい)比喩、バランスの良い見せ場(濡れ場)、スパイスとしての
2010/04/21
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