グランドホテル―異形コレクション〈9〉 (広済堂文庫) (廣済堂文庫 い 6-9 異形コレクション 9)
グランドホテル―異形コレクション〈9〉 (広済堂文庫) (廣済堂文庫 い 6-9 異形コレクション 9) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
再読旅の途中に立ち寄った木造五階建て、瀟洒な洋館。遠くも近くもない高原リゾートに佇むホテルの名は語られない。そんなグランドホテルの2月14日に宿泊すると、願いが叶うとか叶わないとか・・・。このホテルに迷い混んだ、或いは招かれた23人の物語。まぁ殆どは幸せな結末は迎えられませんでしたが。芦辺拓さん『探偵と怪人のいるホテル』、五代ゆうさん『To・o・ru』、恩田陸さん『深夜の食欲』、津原泰水さん『水牛群』なんかが好み。しかしながらこの巻では、田中啓文さんの描く(エグい)フレンチに舌どころか脳随まで痺れました!
2020/02/09
kasim
ヴァレンタインの夜に泊まると何かが起きると言われるクラシックホテルを舞台とした書下ろしアンソロジー。姉妹編で後発の夏版は海辺だが、こちらは高原にある。姉妹編同様、すごく怖いというよりウェルメイドな物語の連続。京極夏彦や津原泰水はさすがの面白さ。他は映画版を思わせる広がりを持つ森真沙子や売れない役者が秘密の螺旋階段に迷い込む北野勇作が秀逸に感じた。
2022/02/10
ぐるぐる244
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の一・和編〉参加中。ホテルのバレンタインデーを舞台にした、まさにグランドホテル形式のホラーアンソロジー。レストランやバーなど、ホテルの構造も共通で、登場人物がすれ違ったりする豪華な作り。2月14日にこのホテルに宿泊すると幸福になるどころか、命まで失うものが大勢。「逃げようとして」山田正紀はオリヴァーサックスの患者が描く猫の絵?が病の重篤化に伴って、どんどんアラベスクのような抽象画に変化していったのを思い出した。
2024/07/18
Tanaka9999
廣済堂出版の文庫本。奥付に発行日記載なし。23編。うーんと、この手のホラーはあまり得意でないというか、よく分からないというか。きっちりオチがつかないというか、そういう感じのものもあって、そういうのが嫌なのかも。というなんとも纏まらぬ感想です。
2022/07/24
那由多
グランドホテルのテーマに、さらに追加してバレンタインデーの縛りも加わった面白い試みのアンソロジー。23人の作家で一軒のホテルを構成するモザイクノベルなので、人物が交錯したりレストランやバーの店名が同じだったりする。新津きよみ、恩田陸、森真沙子、京極夏彦、田中啓文、田中文雄、竹河聖、菊地秀行が特に良く、井上雅彦は編集者にしか出来ない短編だった。
2018/12/14
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