時間怪談―異形コレクション〈10〉 (広済堂文庫) (廣済堂文庫 い 6-10 異形コレクション 10)
時間怪談―異形コレクション〈10〉 (広済堂文庫) (廣済堂文庫 い 6-10 異形コレクション 10) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
再読。1998年頃なんだなぁ・・・(遠い目)。前回は入り込めない印象があったが、冒頭の恩田陸さん『春よ、こい』からグイッと搦め取られた感。二人の少女が、事故で死ぬ未来を互いに再編していくパラレルストーリー。一方が助かればもう一人は命を落とす。二人は何度もやり直してハッピーエンドを目指す。不思議なゆるりとした空気感はサクラと相性が良い。思えばこのアンソロジーには、桜絡みの物語が無数に収録されていたな。過去の記憶に苛まれる菊地秀行作品、竹河聖さんの桜迷宮『桜、さくら』、過去から追ってくる『おもひで女』も良作。
2020/02/26
スカラベ
時間ものといえば普通は時間SFだが、こちらは時間をテーマとする幻想怪談の短編集。600ページの中に24作品がギュッと詰まっている。向こう側へ振り切ってしまい、よくわからない話もあり、作品によって読み方を変えた方がいい。繰り返す時間の中で辿り着いた未来を描く、恩田陸の「春よ、こい」、世にも奇妙な物語にもなった、心霊映像を弄ぶ、小中千昭の「0,03フレームの女」が秀逸。けど、再読だが、やっぱり一番は、牧野修の「おもひで女」。怪談のテーマの中でも抜きんでていると思う。記憶の中を現在に向かって忍び寄る女・・怖い。
2014/12/10
那由多
恩田陸さん『春よ、こい』、西澤保彦さん『家の中』、北原尚彦さん『血脈』、朝松健さん『「俊寛」抄ー世阿弥という名の獄ー』、梶尾真治さん『時縛の人』、菊地秀行さん『踏切の近くの無人駅に下りる子供たちと老人』が特に良かった。奥田鉄人さん『夏の写真』はセリフ一切無しの漫画で、いろんな想像できて不気味で怖く、他のも読んでみたくなった。
2020/10/30
こよみ
面白かったけど「酔歩する男」 「ジョイント」 みたいなのを期待してたから少し違った「時縛の人」が少しそれに近いけど
2017/08/03
ひょろ
時間ものと怪談って相性いいなあとつくづく思う。 加門七海氏の「喜三郎の憂鬱」は何とも不思議な感じ。 牧野修氏の「おもひで女」は特にお気に入り。
2019/06/12
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