となりのカフカ (光文社新書)
となりのカフカ (光文社新書) / 感想・レビュー
中玉ケビン砂糖
、カフカの存在は20世紀「文学」の最大の謎、マイナー文学における魅力的なセオリー(なんてものはないが)として、ドゥルーズらに注目されるのもわかる、いわゆる「カフカ伝説」(親友マックス・ブロートに、全ての草稿を焼却するように言い残して死んだというアレ)というものは、神話かもしれない、カフカの野心はもっと別のところにあったのかもしれない……、チェコに生まれながらドイツ語で文章を書き、手紙魔であり、筋金いりのスポーツマンであり、機械オタクであり、カフカの新たな一面を発見すればするほど
2014/12/23
Nobuko Hashimoto
面白かった! このところカフカの生きていた頃のプラハ(やウィーン)の様子を調べていて、ひょいと見つけたのだが、池内さんの軽妙な文体のおかげで、あっという間に読了。カフカ自体にはそんなに関心はなかったのだが、一気に親しみがわいた。カフカって笑うんだとか(笑顔の写真あり!)、勤め人としてかなり優秀だったんだとか、手紙魔だったんだとか、あのわけがわからない小説も実は実生活と結構絡んでいるんだとか、創作の背景がわかると人間カフカにも彼の作品にも、より関心が持てそう。同じ著者の本格的なカフカ伝も読んでみようかな。
2021/03/21
Nobuko Hashimoto
カフカ入門書におすすめ。ドイツ文学者で名エッセイストであった故・池内紀さんの軽妙な文体にひきこまれ、読み終わるころには、すっかりカフカに親しみがわく。最終章は、カフカ・アルバムとプラハ案内。写真、肖像画やスケッチなどがたっぷり掲載されている。微笑んだ「海辺のカフカ」のスナップ写真も。関西ウーマン月イチ書評で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201877
2021/04/10
白パラガス
本書はいわば,カフカの “トリセツ(取扱説明書)” である。見るからに根暗なカフカ君と,どうすれば仲良くなれるのか。難しい小説を書いてることは知ってる。普段はサラリーマンで,意外と女性にモテると聞く。泳ぐのも得意らしい。もしかして,暗い性格に見えるのはただ不器用なだけなんじゃ…。カフカの名前は聞いたことあるが,読んだことはない。そんな方にこそ,本書でカフカの性格を知った上で彼の物語を読んでもらいたい。「そんな読者のために,すぐとなりの席にいるカフカを書いた」全12回カフカ初級クラス講義の始まりです。
2018/04/30
さっちゃん
「カフカの絶望名人」を読み、カフカ本人の日常や性格をより知りたかったので読んでみた。カフカ初級クラスと紹介してある通りざっとカフカという人物を理解するのにとてもよい。カフカの仕事、家族、恋愛、友人、そして執筆。カフカの作品をもっと読みたくなったし、他の人のカフカ論も気になる。
2015/07/03
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