「人間嫌い」の言い分 (光文社新書)
「人間嫌い」の言い分 (光文社新書) / 感想・レビュー
やすらぎ
世間では、人付き合いが苦手で引きこもりや孤立は問題行動だと考えるが、適当に避けて生きていくことも大切である。人間嫌いを前向きに捉えてもいいのではないだろうか。無理に合わせる必要はない。社会が人間らしく豊かで皆が幸福になるためには、異なる考えを持つ人々の存在を認め、時には相反する価値観を封殺することなく共存することが必要だ。ところが「みんな一緒」があまりに尊重され、多様性を消し去る意見統一への圧力が身近な日常に溢れている。「世の中に人の来ること嬉しけれ、とはいうもののお前ではなし」…人間嫌いの真骨頂です。
2019/05/02
団塊シニア
本書にあるように人間には誰もが「つるみ系」の要素と「人間嫌い」の要素があり、大多数の人は世間に合わせる道を選んでるだけかもしれない、実際社会でその見分けは難しいかもしれない、特に社交的人間嫌いの人は見分けがつかない気がする。
2015/11/23
しらぞう
自分を偽らずにひとりでいる「人間嫌い」か、自分を抑えて人の間にいる「つるむ」か、どちらかの選択ということ。中には、自分の思いどおり生きて人に慕われる人もいるけど、そういうのは素晴らしき例外。それができない凡人にとって、突き詰めていくとどっちが幸せか。精神衛生や人生の大切さを考えれば、断然前者だろうが、世俗的な評価を無視して生きられる人は多くないし、ちょっとの我慢をしなかったばかりに、大きな不利益を被ることは多々ある。学校でも社会でも同じ。からくりは分かっているのに、どうしたら良いのかは分からないものだなあ
2019/03/14
ともとも
文士や文士の作品の例を挙げ、人間嫌いのとは何か? 人間嫌いの特性を記載していく。 良く言えば、ブレない自由人、マイペース、自分の信念をしっかり持っている 一方で悪く言えば、身勝手、空気を読まないなどを感じつつ、 こんな感じで生きられたら、でも周りの人が迷惑かも・・・ その両者で葛藤を続けている、そんなその域には到達できないながらも自分に気がつきながらも、その両者で上手くバランスをとって生きるのが理想かなぁ~なんて考えてしまいました。
2016/11/18
かず
私は、本書に全面的に同意する。特に、「人間嫌いの人は、本質的には人間好きである」というところに深く同意する。人間が嫌いなのではなく、自分がない「群衆」が嫌いなのである。日本人は、「個性!個性!」と言いながら、それを許さない民族である。正しい。間違っている。それよりも、周囲との同質性を強いる民族である。そこに、切磋琢磨は生まれない。だから、戦後の日本では、世襲以外、エリートは生まれなくなった。大衆は、本質的に英雄を求める。それでいながら、「出る杭は打つ」という姿勢。そこに、日本人の陰湿さ、滑稽さを感じる。
2015/08/03
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