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問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ (光文社新書)

問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ (光文社新書)

問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ (光文社新書)

作家
春日武彦
出版社
光文社
発売日
2008-02-15
ISBN
9784334034429
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問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ (光文社新書) / 感想・レビュー

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kinkin

鬱は心の風邪、ならば躁は心の脱臼である という下りだけでもこの本の収穫だと思った。様々な躁に関するエピソードや躁の症状とともに躁についての解釈が載っていて興味深く読むことが出来た。有名女流小説家の躁についても語られている。しかし躁というのをこの本だけで画一的に捉えることも安易だと自戒。軽躁状態というのは確かにテレビの楽しくて明るいと受け取られるバラェティー番組が当てはまることに気づいた。軽躁状態というのも巻き込まれている人にとってはかなりのストレスなんだろうな・・・

2017/02/13

どんぐり

話はとってもわかりやすいが、処方箋らしき話は出てこない。作家の有吉佐和子さんとか、事件で報道された躁病の人を列挙して、最後に付け足しのようなICD-10の解説がある。よりによって専門医が週刊誌の面白ネタのように書いて、自身の診療経験を語っていないのは、どういう了見だろう。自験例がないのは、「躁病」の患者はめったに受診してこないので診たことがないのかもしれない。この本では、自慢話が大好きでいつまでも枯渇しないエネルギーを振り撒いている奇人、変人がいたら、躁病と思えということしかわからない。著者の『鬱屈精神科

2016/05/13

kei-zu

鬱(うつ)だけじゃない。躁(そう)だって危ないんだ。正常な判断ができない状態で行った行為がどれだけの影響を及ぼすか。 精神科医の春日先生が、実際の事件や臨床例から躁状態の危険を解説する。有吉佐和子の「笑っていいとも」番組ジャック事件、シミュレーター・マニアのハイジャック。ありましたねぇ、そんなこと。 翻ってわが身も、勢いに乗って飛んだへまをやらかしていないか、ちょっと不安にあったり。本書の副題にあるように、私たちは正常と異常の狭間にいるのだ。

2021/09/08

阿部義彦

精神科医の春日武彦さんの新書。2008年刊。鬱病はよく知られて、『心の風邪』と例えられる程ですが、躁病に関しては先ず絶対数が圧倒的に少ないし、私が知ってるのは小説家の北杜夫さん位です。そんな躁病を鬱の『心の風邪』に対比して『心の脱臼』と著者は例えます。具体例では過去の『笑っていいとも』で起きた有吉佐和子先生の所作を例に上げてます。自分は初めて知りました。兎に角全能感に支配され、多動多話になり衝動的に行動します。しかし価値観はいかにも安っぽい田舎丸出しの臆面の無さ。他犯罪詐欺に類するものが多く興味深かった。

2024/10/01

ichigomonogatari

躁状態にある人間の日常を逸脱した行動についてのべる著者の姿勢は、ほぼ常に躁状態について批判的だ。躁状態とは「俗物さ加減やみじめったらしい鬱屈をアグレッシブに反転させて世間に披露する」行動であり、その浅はかさ、軽薄さ、秘められた欲望を抑制できない醜さについて何度も言及している。なにか、躁状態の人にうらみでも持っているのか?と思いきや、「あとがき」において実は自分にもその危険性を感じており、その不安を抑えることがこの本を書いた大きな動機だったという。わかるようなわからないような。

2017/08/16

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