日本の難題をかたづけよう 経済、政治、教育、社会保障、エネルギー (光文社新書 590)
日本の難題をかたづけよう 経済、政治、教育、社会保障、エネルギー (光文社新書 590) / 感想・レビュー
いっしー
関心がある章だけをつまみ食い。マーケットデザイン、政治、ひきこもりを具体例とした社会学、環境エネルギーなど日本を取り巻く課題について、若手研究者が提言を述べている。付録の「貧しい人々の仕事をつくる」は日本にいるだけではイメージが付きにくい課題。スラム街の人々を例に仕事を得るためには何が足りないか、成功するためには市場と如何にして関わりを持っていくかなど普通に(?)サラリーマンをやっているだけでは実感が湧かない難題だろう。
2016/12/10
きいち
電車に乗ると中づりに溢れる週刊誌の見出しにイラついて堪らなかったので、いや、中身読むとそれなりにポジティブな提言もあったりするのにそんな見出しをつけてしまうほうが売れるという状況に抗して足掻いているので、オビの「ポジ出し」にとても共感し飛びついた。それぞれ自らの専門に基づき、冷静な対話を促す各章、期待通り。自分も自分の専門を使って地道にやっていくぞ、という思いを新たにした。
2012/09/01
void
【★★★☆☆】「ポジ出しを!」は良いんだけど、社会学の有用性とか単にゲー論の授業だったりとやりたいことが定まっていない。菅原琢(政治)、次いで井出草平(社会学)が読めた。メモ:ナッシュ遂行の前提としてのマスキンの定理(「メンバーの好みが単調的に変化した場合に社会目的が変わってはならない」、メンバーが3人以上いる場合にはマスキン単調性を満たすほぼすべての社会目的をナッシュ遂行で達成できる)。一票の格差は裁判になる限界事例(最大格差)ばかりに焦点が当たり、中央値等全体が疎か(→ジニ係数を目標にすべきでは)。
2013/09/24
takizawa
シノドス・セミナーなどの講演をまとめたもの。伝統的な学問に対し、新しい試みをしている論者が揃っている。伝統的な経済学は市場を所与と考えるが、マーケット・デザインは市場を作ることを考える。伝統的な政治報道は印象論に終始しがちだが、計量政治学は綿密なデータ分析を行う。見田シューレは社会問題を華麗に捌いて意味づけをするが、本書では質的・量的分析による地味な社会学が扱われる。常識とは異なる結論が導かれることで、今まで見えなかった問題が発見できたり、新しい視座を手に入れることができる。障害は能力の欠如ではない。
2012/08/18
くさてる
「ダメ出し」ではなく「ポジ出し」を!というのはとてもいい。現在の日本が抱える5つの問題について、研究者や当事者が、ポジティブで前向きな改善策を提案した内容。もちろんすべてを網羅するわけにはいかなかっただろうから、それぞれの提案について、つまみ食い的に読ませてもらった印象がする。あとでフルコース頂きたくなったのは、「データで政治を可視化する」「社会学は役に立つのか?」「貧しい人々の仕事をつくる」の三章でした。
2012/12/26
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