なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか ピース・コミュニケーションという試み (光文社新書)
なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか ピース・コミュニケーションという試み (光文社新書) / 感想・レビュー
リキヨシオ
平和とは戦争がなくて世が安穏である事。恐怖や死など強烈な印象の「戦争」に比べると曖昧になる「平和」。多くの人が平和を望んでいるのに世界で戦争がなくなったことはない。戦争をしたい権力者と図らずも戦争を宣伝するメディアにいつの間にか戦争を受け入れ拡大させる大衆心理。戦争の裏には必ず政治的な意図とプロパガンダが存在する。「戦争は絶対だめ」という教育だけではなく「どうして戦争が起きるのか・どうやって戦争を繰り返さないようにするのか」という教育も必要。育った国の歴史によって個人の平和へのイメージは異なるので難しい。
2015/09/19
壱萬参仟縁
ガルトゥングは、Positive peace。安倍晋三は、Proactive Contributor to Peace(23頁)。プロパガンダ:特定の思想や考え方へ誘導する意図を持った宣伝行為(48頁)。噂の公式:R(噂)=I(重要性)×A(あいまいさ)で、オールポートが提唱(161頁)。日本ではあり得ない、ドイツ・ポーランド間の教科書対話の成功。独仏共通教科書策定に結実したという(192頁)。
2015/12/06
はづき
プロパガンダやメディアの話も興味深かったけど、「平和のココロ」をつくるでの教育の話が勉強になった。 日本では戦争体験者から、戦争体験の話を聴くことが、平和教育として多いけど、アウシュビッツでは、体験していないものがどう語るかが研究されてて、現在とつなげて語られる。“戦争はゼッタイだめ”では、思考が停止してしまう「どうして戦争が起きたのか」「どうやって戦争を繰り返さないようにするのか」の問いに返答することは、学ばないと、考えないとわからない。確かに。
2015/09/15
ふろんた2.0
戦争のきっかけは権力者によるものかもしれないが、メディアの報道、大衆の心理によって戦況も変わる。平和を維持するためには正解のない問いに答えを出さなくてはならない。
2015/09/14
Nobuko Hashimoto
大変興味深かった。著者はメディアやコミュニケーションのプロ。戦争や平和に関する情報の伝わりかた、受け止めかた、伝え方について知り、考えるのに良い一冊。事例と理論の割合もよく、読みやすい。平和教育のあり方を考えるのにも参考になる。先日読んだティモシー・スナイダー『暴政』と併せておすすめしたい。
2018/12/12
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