砂時計 (カッパ・ノベルス)
砂時計 (カッパ・ノベルス) / 感想・レビュー
真理そら
作者の紋章上絵師としての顔が感じられる短編集。「六代目のねえさん」は歌舞伎に関する物語だけれど、歌舞伎の内容そのものには関係がない。(東の坊や)と呼ばれていた少年時代のねえさんに対する淡い憧れを懐かしむ雰囲気が好きだ。「鶴の三変」は美しくなりたいという無邪気な女ごころが恐ろしい。10編も入った短編集。
2019/04/15
cpond
泡坂妻夫初めて読みましたが面白いですね。少し過去の時代背景、色気のあるストーリー。ただ推理傑作集とありますが推理ものではありません。六代目のねえさんが一番好きかな。
2012/08/22
たかすみ
女紋、硯、色合わせ、埋み火、三つ追い松葉、静かな男、六代目のねえさん、真紅のボウル、砂時計、鶴の三変 収録。 「三つ追い松葉」が好きですね。読んでいて語り手を意識させられる構成。「小僧の神様」を思い出しました。 全編を通して、一人の人物に感情移入しにくかったですが、自分が話を伝え聞いているような感覚で楽しめました。家紋についての薀蓄なんかも興味深かったです。
2012/04/28
skeptical_sheep
文章や構成がうまく読み易いが、推理小説かと言われると疑問。特に謎の提示はなく、読み終わると構図が見えてくる仕掛け。前半5編は着物にまつわる職人が主人公で、そういう括りの短編集かと思いきや、途中でがらりと変わる。中年男性の郷愁を誘うような、静かな物語。
2014/11/24
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