人魚の血 (カッパ・ノベルス 異形コレクション綺賓館 4)
人魚の血 (カッパ・ノベルス 異形コレクション綺賓館 4) / 感想・レビュー
KANEO
涼し気で艶やか。新旧の様々な彼女たちの姿を楽しむことのできる夏にぴったりの“回遊”館のような【人魚】の幻想怪奇アンソロジー。ああ、翠玉色の水中から彼女たちの甘い声が聞こえてくるようだよ。それに生臭さも。そんな彼女たちを20人の庖丁人たちがその腕を振るい物語という料理にして堪能させてくれるなんとも贅沢な一冊。どの娘も美味だったけど、ボクは特に『恋の味』が良かったなあ。居酒屋の生簀にいる人魚に恋しちゃうサラリーマンの話なんだけど、とても美味しかったよ。『鯉の巴』『魚怪』も美味しかったなあ。はあ、満足満足。
2015/07/30
山猫
カッパノベルスだから仕方ないとは思うが、異形という一言で片付けて欲しくないなぁ。東京朝日版が底本、「貧しげ」表記あり。
2021/11/26
竜王五代の人
人魚を、海の美形の妖女ではなく、魚の混じったおぞましき妖怪変化と書く話が多い。そういう意味では、戸川昌子「人魚姦図」が一番キテいる。小田仁二郎「鯉の巴」もそういう意味ではなかなか。田中文雄「魚怪」は取りつかれた老父の病んだ様子の描写がよい。
2022/09/25
海さん
もの哀しいかグロテスクな話が多い。どうしても人魚ってそういうイメージになるのね。「赤いろうそくと人魚」は古典中の古典だけど、やっぱり巧いと思う。小松左京は相変わらずSFだし、久美沙織の作品には笑ってしまった。
2017/02/26
そろうまる@ic陣八さん
よかった。うん。
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