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夏の夜会 (カッパ・ノベルス)

夏の夜会 (カッパ・ノベルス)

夏の夜会 (カッパ・ノベルス)

作家
西澤保彦
出版社
光文社
発売日
2001-09-01
ISBN
9784334074401
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夏の夜会 (カッパ・ノベルス) / 感想・レビュー

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虎師匠

再読。小学校の同級生の結婚式で再会した男女が、些細な記憶の齟齬から抱いた違和感に基づき、過去の殺人事件の真相に迫る異色のミステリー。事件関係者の記憶の確実性を前提とするミステリーにおいて、実質30年近い過去の記憶である為に、一つの事件、人物像が記憶の復元或いは捏造によりその様相を二転三転させていくと言う、作者お得意のSF要素こそ入らないが、ミステリーの根幹に挑む発想が兎に角ユニーク。反芻と再構築を繰返しながら明らかになる真相は、人の記憶が如何に脆く、他者の影響により改竄、改変されやすいかを描き出す。

2014/05/25

つはー

記憶の不確かさをメインに据えたミステリ。30年前に起きた殺人事件に関する曖昧な記憶が、夏の短夜のうちに全く異なる真実へと姿を変える構成は見事。こんなに小学生の頃のこと覚えてるものか?とは思うけど。

2013/04/30

ジュンジュン

記憶は改ざんされる、を基にしたミステリー。著者らしいユニークかつ魅力的な構成だが、こんなにも一大事が欠落するものかな?と感じてしまい、物語としてはいまひとつ。

2016/09/01

みっくん

西澤さんにしてはノーマルというか、物理法則が無視されていません。ただ「記憶」が信用できないのも、ある程度は理解できるにしても、ここまでは・・・となります。 最後もあまり救いがない。 記憶が覆されて行く連続が面白くはあるのですけれどね・・・

2017/03/25

猫マッチョ

数々の探偵たちに共通する能力は事件に遭遇する力よりも記憶力では無いだろうか?「○○さんはさっき凶器を見たと言っていましたよね?」普通は誰が何を言ったか一字一句覚えてません。このミステリーは記憶力を現実に近付ける意図で作られた話だ。昔の殺人事件を思い出して解決するには不確かな情報が多すぎる。勘違いや深読みで袋小路に入りこむ事件。無関係に思える情報が有益なものに化す。複線の集合体は人間の記憶そのものかもしれない。一文で書くならば『分からない殺人事件』

2012/04/01

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