密室の鍵貸します (カッパ・ノベルス カッパ・ワン登龍門)
密室の鍵貸します (カッパ・ノベルス カッパ・ワン登龍門) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
再読。改めて読んでみるとシンプルによくまとまっていて、初読のときのややこしい印象とは違っていた。東川さんの作品は、例の「お嬢様の目はフシ穴でございますか?」や、霧ヶ峰さんの学園もので既読だけど、デビュー作もなかなかの出来。饒舌なオモシロ文体は、やはりこの頃から続いているんだな。ディクスン・カーみたいで、「うむうむ、そうだったのか!」と楽しみました。
2016/01/31
ばりぼー
再読。千葉の東・神奈川の西にある烏賊川市シリーズの第1作にして長編デビュー作。「『最近、ミステリを出汁に書かれた面白いのか面白くないのか判らないミステリが多い』と思っている方に、この作品をお薦めしたい(有栖川有栖)」とありますが、これがまさにそれってこと?(笑)ノリツッコミのくどい漫才のようで、謳っている「ユーモア」部分はどうかと思いますが、ミステリとしては大変良心的な本格ものの佳作です。映画『殺戮の館』のビデオをホームシアターで鑑賞する冒頭から、撒き餌のごとく散りばめられた伏線回収が実に鮮やか。
2021/07/06
くまんちゅ
東川さんの本格推理デビュー作。「謎ディナ」なんかと比べるとユーモア度は若干薄めかなという印象。鵜飼探偵の活躍もありましたが、砂川警部の切れ者ぶりが印象に残りました。序盤で張られていた様々な伏線がラストの解決の場面で一気に回収されていく様には「なるほど」と唸らされました。最近の東川さんの作品は短編が目立ちますが、長編もいいですね。
2013/12/17
くろり - しろくろりちよ
東川篤哉長編一作目。そして烏賊川市シリーズの一作目。王道本格ミステリ。密室、刑事、探偵、あまり役にたっていないながらもそこがイイ主人公。先輩が主人公と二人きりの密室の中で殺され、思わず逃走してしまっているうちに元彼女も殺されていることを知る。逃走の相棒は探偵である伯父。伯父と主人公、刑事二人、コミカルな会話でテンポよく読める。トリックも動機も納得のいく説明。王道すぎて印象に残りにくいかも?娯楽ミステリ小説の醍醐味といったところで、それがとってもいい。
2011/02/13
くまんちゅ
再読。まずびっくりしたのが鵜飼と流平が、かつて義理の兄弟であったこと。こんな設定があったことをすっかり忘れていました(笑)最初の登場シーンでは「本格推理において度々道化を演じなければならない」と紹介されていた刑事である砂川警部が事件を解決かと思いきや、探偵の鵜飼も最後にはきっちり見せ場を作ってくれます。事件の真相が明らかにされる場面は、いろいろな疑問が解決してすっきりしました。
2015/11/16
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