青のある断層 3版 (カッパ・ノベルス 松本清張短編全集 2)
青のある断層 3版 (カッパ・ノベルス 松本清張短編全集 2) / 感想・レビュー
雲國斎
清張の短編集。「青のある断層」「赤いくじ」「権妻」「梟示抄」「酒井の刃傷」「面貌」「山師」「特技」の全8編で、表題作以外は時代短編だ。「赤いくじ」「権妻」にみられるような一気の結末が好きだな。
2021/08/15
和衛門
ダイヤの原石のような輝きが消えてしまう瞬間。 誰でもが持つ欲望。女性への愛情。権力への渇望。格式へのこだわり。 自分ではどうしようもない容貌。人よりも優れてしまった特技。金山を見つける能力。鉄砲師としての腕。 そんなことがすべて悲劇につながっていく。 生きているかぎり、一つボタンを掛け違えば不幸が訪れる。 それは、時代に関係がない。だから、松本清張は今でも読まれドラマ化される。
2019/04/05
ラムネ
小説に求めるものは人によって様々だけれど、 その内の一つは、主人公の体験を通し自身を想うことかもしれない。 何となく閉塞感があったり、上手くいない。 嫌な人苦手な人、関わりたくないけれど付き合わねばならぬ人。 仕事の悩み、家庭の葛藤などなど。 共感を呼ぶ物語は、そうしたものに解決の糸口や、 新しい見方を与えてくれる。 松本清張のじりじりとする小説は、そんな魅力にあふれる。
2017/11/02
べべぞう
松本清張の短編は、これが初めて。この人、ミステリやなんかより、時代ものや文学臭いもののほうが、よく書ける人なんじゃないか?こういった面での評価も、もっとあっていいと思うが。
2009/07/02
mustang
「青のある断層」味がある。「赤いくじ」ぞっとする。「権妻」オチが見えた。「面貌」クエスチョン。
2017/05/09
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