太陽の汗 (光文社文庫 か 9-1)
太陽の汗 (光文社文庫 か 9-1) / 感想・レビュー
活字スキー
大阪北区の古書店ジグソーハウスさんで見知らぬ神林作品を発見したので、中味を一切確認することもなく衝動買い。昭和60年発行の初版、定価360円のものを300円で購入させていただきましたありがとうございます。今一つ内容を掴み切れなかった印象だが、そもそも御大の作品をがっつり掴めたことなどあっただろうか。そして近作である『ぼくらは都市を愛していた』との相似性に驚かされたというか、神林長平は30年前から揺るぎなく神林長平であったと確認出来たとも言える。言語、機械、コミュニケーション、実存不安。
2019/04/23
稽子
★★★ SF。肉眼で見ている世界と、カメラで見た世界が違う。どちらが本当の世界の姿なのか。曖昧な世界と曖昧な自己認識を描いた作品だが、習作っぽい雰囲気で神林作品のなかではオススメとは言いがたい。
2016/03/05
宇宙猫
★★★★★
mn
自動翻訳機を通さなければ会話ができない世界で、どんどん機械が信用できない状態になってくる。頼り切っていた機械に疑惑を抱くことで、自分の感覚すらも確信が持てなくなるというのが面白かった。
2014/12/03
ゆーいちろー
十数年ぶりの再読で、内容など全く覚えていなかったが、こんなにもわかりにくい物語だったろうか?いや、わかりにくいというのは少し違っていて、わかりやすいといえば、これほどわかりやすいものはない。「エヴァンゲリオン」あるいは「AKIRA」のわかりにくさ(わかりやすさ)をイメージすればいいのかもしれない。よく考えてみれば「AKIRA」と本書は、同時期の作品であることに気がつく。こういう言い方はあまり好きではないが、もしかしたら、時代的な共通感覚と言ってもいいかもしれない。ああ、この未解決感…座りの悪さが魅力的。
2013/07/18
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