軒行灯の女たち (光文社文庫 こ 4-1)
軒行灯の女たち (光文社文庫 こ 4-1) / 感想・レビュー
sputnik|jiu
新風営法施行以前の赤線地帯での小林亜聖の武勇伝。エピソードとしては、小林氏が遊女の父親と成り行きで酒を飲むことになる話が好きだ。娘を借金のかたに売り飛ばして、いまだに金をせびりにくる父親に対して、小林氏は義憤を感じて文句を言うのだが、そこの遣り手婆に「金で女を買うような奴がいい気になるんじゃない」と追い出される。その後、小林氏は帰りながら涙を流すのだが、そういう行き場のない「やさしさ」のようなものが、この時代にはたしかに存在していたんだろうな。ノスタルジーとか懐古趣味とか、そういうことではなくて。
2015/09/01
Naomi Araki
昭和の女遊びについて、小林亜星のフィクション?ノンフィクション?微妙な位置での名作。赤線青線、色町での遊び等、今は亡き風俗街の描写も見事。
2012/02/01
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