愛の墓標 (光文社文庫 あ 11-4)
愛の墓標 (光文社文庫 あ 11-4) / 感想・レビュー
MIKETOM
男女の恋愛に関しての短編集だけど、恋愛小説ではないな。幸せな結末のものはほとんどない。何となく物悲しい話が多い。例えば『夜の声』作詞家になりたい女。夢を叶えるためなら業界の実力者に体を与えることもやる。しかしそんな自分が惨めになって、昔打算なしに親切にしてくれた男に抱いて欲しいと願う。清めてほしいと。男は戸惑いながらも願いを聞き入れる。女は知っている、自分に作詞家の才能はないことを。それでも体を使うことを止めない。数年後に再び男に連絡をするが、男の返事は「もうすぐ結婚するから」。なんともいえず物悲しい。
2018/11/11
takaC
1991年11月読了。
1999/01/01
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
☆×4.5…どこか色香の漂う、男と女の連作集。だけれども著者らしいな、と感じさせるのは時にとてつもなく背筋の寒い作品が混じっていたり、よく考え直してみるとウヒョーな作品が混じっていたり。「裏通り温泉」がそのウヒョーな作品の最たるものでしょう。素敵なひと時ですね、なーんて思って最後を読んでいきますと…基本的には幸せな終わり方のものはないといっていいでしょう。いやしまれる関係のものや残念な関係が多いですからね。それは人間だからあることともいえましょうが。
2012/12/21
若作りのオバちゃん
処分すると言う知人より貰う。30年前の書で検索すると古本でも結構な値に驚き。ドロドロの底沼な愛憎物語でしたが、綺麗にまとめられているので読後の不快感なし。ただ、刺激を求めオープンな現代人の感覚には物足りないな。
2014/06/22
ゆりっぺ
1998年4月12日
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