毒を売る女 (光文社文庫 し 5-15)
毒を売る女 (光文社文庫 し 5-15) / 感想・レビュー
Kircheis
★★☆☆☆ 島田氏のいつもと違う側面を見ることができる貴重な短編集。 ヒッチコック風サスペンスの『毒を売る女』や、ブラックユーモア『渇いた都市』は良かった。 評価の高い『糸ノコとジグザグ』は、個人的に特に印象に残らなかったが、御手洗のゲスト出演が嬉しい。 吉敷の出る『土の殺意』は土地の高騰と相続税問題を絡めた社会派殺人劇だが微妙な出来栄え。 その他数編のショートショートはいずれもなかなか楽しめた。
2019/08/20
ピッポ
【再読】表題作「毒を売る女」を含む8編収録。”あの人”が登場する名作「糸ノコとジグザグ」、星新一風の「ダイエット・コーラ」、”未知との遭遇”を思い出した「ガラスケース」、吉敷もの「土の殺意」など、本格要素は少ないけれど、サスペンス、青春、SF、そして島田先生には珍しいショートショートとバラエティに富んでいます。いずれの作品も完成度が高く、作者の多様な作風を堪能できました。
2017/05/26
choco
初めての作家さんにチャレンジ。リアルと不思議なストーリーが盛り沢山の短編集。 怖い女、イタイ男、感動傑作などなど。どれも良かった。
2016/01/11
Tetchy
これは珍しい!島田荘司のショートショートなんて初めて読んだ。従来書いているミステリとは違い、論理的帰結のない、SF小説というか幻想文学めいた内容であるのは興味深い。つまりいわゆる幻想的・魅惑的な謎の下地がここにある。その他の短編も島田荘司ならではの着想がやっぱり面白い。ページを繰る手がもどかしいとはこのことで、その疾走感はたまらない。名作名高い「糸ノコとジグザグ」もメタ御手洗物でなかなか良かった。
2009/05/02
かるん
タイプの違う短編が8作。吉敷や御手洗(名前は伏せられてますが)も登場。特筆すべきは「ガラスケース」「ダイエットコーラ」「数字のある風景」。この三作はどれもSFチックな作品ですが、島田荘司の書ける話の幅広さに驚き。
2015/01/29
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