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天に昇った男 (光文社文庫 し 5-24)

天に昇った男 (光文社文庫 し 5-24)

天に昇った男 (光文社文庫 し 5-24)

作家
島田荘司
出版社
光文社
発売日
1994-10-01
ISBN
9784334719456
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天に昇った男 (光文社文庫 し 5-24) / 感想・レビュー

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しろ

☆9 冤罪で死刑執行される際に奇蹟で助かった男。彼の壮絶な過去とその未来。終始無駄のない美しくも哀しい悲劇。知恵おくれで親に身体を売らされている女との恋と、彼が冤罪で捕まるまでの過去の話が中心で語られる。死刑を何とか逃れて彼女に会いに行く彼、その想いの強さが、胸を締め付けられるような終わりを際立たせる。天に昇ろうとした男の伝説がある街で行われる昇天祭りが、上手く機能していて、読後はなんとなく呆然としてしまった。とにかくいい作品。

2013/11/23

Tetchy

内容的にはミステリではなく云うなれば幻想小説のテイストを含んだ中間小説とでもなるだろうか、不思議な読後感の残る作品である。そして私はこのような作品に弱い。島田ミステリに通底する弱者への真心とロマンシズム、これが一貫して物語のBGMとして流れ、進んでいく。最後には珍しく悲劇的な結末で無機質に締められ、読者の心には冤罪に対してのほろ苦さが色濃く残る。最後に門脇春男は救われたのか、それは判らないが不幸な者がここにいるということを強く教えられた。

2009/05/26

すきま風

うわぁ…まさかこうきたか、という結末。冤罪で死刑執行を受けた門脇が、死刑となっても死なずに生き残った。そんな事もあるものか、と門脇の過去を辿りながら現在に時間は戻り、富栄との再会。ここでハッピーエンドで終わらないのが流石の島田さん。門脇の人生って一体なんだったのだろう…なんとも物悲しい話でした。

2013/03/13

naolog

昭和風情のどろどろとした小説だなぁ…と思っていたら最後の5ページの恐ろしい急展開。冤罪と死刑制度の関係は難しいものです。

2021/08/16

ももなつ

タイトルから想像できる冤罪死刑囚の不幸な人生の物語。落ちは予想どおりだったし、特に意外性もない。作者は死刑廃止を訴えたかったらしいが、私には何も伝わって来なかった。まぁ、私は昨今の弁護士団と違い死刑廃止論者ではない。死刑を手放しで肯定する気もないが。今年のS市大量殺人とか本当に赦せないし、死刑がないと最高刑は無期懲役(?)になり、模範囚だと20~30年で仮出所できるとかできないとか。う~ん、納得いかない。あ、レビューに関係なくない話になってしまった。感想は、『まぁこんなもんかな』という感じ。

2016/10/19

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