本格推理 5 (光文社文庫 あ 2-16 文庫の雑誌)
本格推理 5 (光文社文庫 あ 2-16 文庫の雑誌) / 感想・レビュー
みつ
読者投稿による謎解き短編の5冊目。今回はアリバイ崩しのものに佳品が多い。短い紙数の中にトリックの趣向が凝らされている。『アリバイのゆくえ』は、トリックよりも犯人特定の論証が見事。『クロノスの罠』は、手がかりもふんだんに示しつつ驚きの幕切れに。今のご時世だと或いは気がつく方がいるかも。『黒い白鳥』は、選者鮎川哲也の作品名をあしらったもの。『鳶と鷹』は、着眼点が素晴らしい。『天に昇る足跡』は、雪の上の足跡が形成する「雪密室」でミステリ好きの発想の逆をつく。あとがきは選者による原稿の書き方指南で、今昔の感あり。
2022/01/11
二葉
時間をおいて再読してみると前回気付かなかった部分もあり大分評価が変わった作品が多かった本書。素人離れした作品もある一方、校正のミスかアンフェアな書き方のプロ作家の作品もあり全体としてイマイチ。やはり、年三冊の公募アンソロジーでは、作品が集まらなかったのでは…
2016/05/21
kamisaki
「疾走する殺意」が面白かった。劇作家さんだけあって見せ方(読ませかた)がこなれてる感じ。天宮氏の探偵役、司馬博子さん、どこかで見た記憶が。この後の巻で再会するんだろうか。楽しみ。トリックとしては「鳶と鷹」。なるほど、あれが・・とスッキリした。
2012/03/15
kanamori
☆☆
2011/08/21
Tetchy
最も印象に残ったのは「クロノスの罠」、「黒い白鳥」、「鳶と鷹」の3作品。「クロノスの罠」は本格推理に相応しい大トリックで綾辻の『時計館の殺人』の本歌取りともいえる作品で見事に消化していた。また実作家の手による「黒い白鳥」、そして公募による「鳶と鷹」は本格のトリック、驚愕の真相はもとより、その登場人物に血が通っていること、また特に「鳶と鷹」は小説を読ませる事を素人とは思えないほど熟知している構成の確かさを感じた。まさか素人の短編で落ちぶれた刑事の復活劇が読めるとは思わなかった。及第点のアンソロジーであった。
2009/08/09
感想・レビューをもっと見る