木枯し紋次郎 (一) 赦免花は散った (光文社文庫)
木枯し紋次郎 (一) 赦免花は散った (光文社文庫) / 感想・レビュー
goro@80.7
これはもっと早くに読むべきだった。孤高という言葉がぴったりな主人公紋次郎。信じるのは己だけ、他人とはましてや堅気の衆とは交わる事も厭い「関わりたくない」と言いつつも「関わってしまう」掛かる火の粉は避けたいのに避けられのだ。そして各編がこれだけクオリティが高いのに合わせてミステリーの要素も盛り込みながらとは恐れ入りました。またこの無情さが身に染みる。人は何処までも薄汚く、邪悪で、エゴイストであることか、現代にも通じるのではなく人は昔も今も変わらないからこそだな。紋次郎さんあっしも追いますぜ。
2022/09/07
k5
初夏の時代小説フェア⑩。あっしには関係のないことでござんす、というセリフは出てこなかったんですが、想像以上に面白かったです。主人公が島流しにあっているところから始まる斬新さと、徹底的に裏切られてニヒルになるんだけれども、情を捨てきれない紋次郎のキャラに惹き込まれます。このシリーズはミステリ系に行くのか、バトル系に行くのか追っかけてみたいと思います。
2022/07/11
マーブル
過去が幾ばくか明らかになる第一作。シリーズ後半を読んだ記憶からは、ここまで悲惨な話が多かったか、と認識を新たにする思いだ。シリーズが続いていく上で、紋次郎も変わっていったのかもしれない。裏切り。裏切るのは悪人ばかりではない。守るべき女も、堅気の者たちも時に裏切り、時に裏切られる。紋次郎は世の中に関わらぬことを信条としているはずなのに、偶然や気まぐれに関わった事件で悲惨な真実に遭遇する。飢饉を背景にした作品はそのせいもあるのだろう。しかし、それは描くための方便であり、その芯にはもっと深い意味がありそうだ。
2022/11/20
桜もち 太郎
小川洋子さんのラジオで紹介されるということで予習。「あっしは面倒なことに、関わりをもちたくねえんでござんす」と孤独の中で生きる木枯らし紋次郎。「信じられるられるのは、自分だけである。自分以外の者は、信じない。その代り誰からも信じられない。それが渡世人紋次郎の、これまでの生き方だった」シブい、シブすぎる紋次郎の生き方。しかし結局は裏切られながらも人助けをする紋次郎。その剣さばきもスカッと気持ちが良い。物語の最後には必ずどんでん返しがある。それも読みごたえの一つ。久しぶりに読んだ歴史エンタメ。面白かった。
2017/11/11
ジョン
流れ舟は帰らず、が特に秀逸。娘を慰めるためにぼそりとつぶやいた紋次郎の言葉に痺れる。ハードボイルドな男になりたい!!(笑)
2018/10/06
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