硝子の家: 特集・幻の名作 (光文社文庫 あ 2-22 文庫の雑誌)
硝子の家: 特集・幻の名作 (光文社文庫 あ 2-22 文庫の雑誌) / 感想・レビュー
Kouro-hou
鮎川哲也編集の文庫アンソロジーマガジン。表題作の長篇、島久平「硝子の家」は幻の名作と評判が高かったので読んでみました。シリーズ探偵伝法義太郎の元に、叔父が遺言書作ったけど面倒だから今殺すとか言う好感度ゼロの依頼人が来て最初から飛ばすw 俺が犯人だとわからなきゃいいんだろー、と行った先が叔父の全面ガラス製の硝子の家。そして密室殺人事件が発生、犯人がわからぬまま次々と被害者が、というお話。なるほど凝っていて面白いんです。コンテスト3位だったそうですが、その時の優勝作品が「黒いトランク」だったのは相手が悪すぎ。
2015/12/25
KAKO
鮎川哲也編集本格推理マガジン。時代を感じさせる探偵小説集。密室ものはちょっと苦手なのだが、硝子の家という想像力をキラキラ刺激する設定で、おもしろく読んだ。表題作の密室の謎は、てっきり犯人を庇っての被害者の行動と思ったのだが、世にも恐ろしい?理由で、なるほどこれは部屋を閉ざさざるを得ないと思わされた。血も涙もない犯人だ。「離れた家」は、時間トリックになるほどと思った後のどんでん返し。ちょっと複雑でスッキリとはわかりにくかった。「探偵小説」の作法、十戒、必読の付録的な論文付き。仁木悦子さんが再読したくなった。
2024/07/31
やまだん
旧「宝石」という雑誌に掲載された「幻の名作」3編を掲載した中・短編集。標題作の「硝子の家」は,密室殺人を始めとする連続殺人事件に,名探偵「伝法義太郎」が挑む。「離れた家」は,かなり複雑な時系列でトリックが構成されているアリバイトリックもの。「鬼面の犯罪」は,やや説明不足。雰囲気は悪くないが,一読してよく分からない作品になってしまっている。そのほか,おまけとしてノックスの十戒などまで掲載されている。一言でいうとどれも古臭い。幻の名作はハードルを上げ過ぎていると思う。正直,それほど楽しめなかった(15点)。
2017/03/19
Tetchy
表題作の『硝子の家』はロジックの畳掛け、そして身の凍る、これならば絶対に犯人の入室させたくない理由が平成の現代においても読んだことの無いほどのおぞましい内容で脱帽した。しかもこの真相も『ガラス』に纏わるもので、題名にダブルミーニングを持たせており、抜群の出来。中編『離れた家』は複雑すぎで、こんなに上手くいくんかいなと懐疑的だ。最後の天城氏の『鬼面の犯罪』は相変わらず好みと合わない。付録の論文はなぜこれが今必要な首を傾げるところがある。
2009/08/29
ホームズ
表題作『硝子の家』は良かった(笑)初めて読む人でしたが楽しめました(笑)3つ目の殺人事件はちょっと微妙な部分もありましたが(笑)もっとほかの本を読んでみたくなりました(笑)天城一も初めて読みました。どこかに単行本が埋まってたな~(笑)早く掘りださないと(笑)巻末の「探偵小説作法二十則」「探偵小説十戒」「必読本格推理三十編」も良かったですね(笑)
2009/08/14
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