本格推理 〈11〉奇跡を蒐める者たち (光文社文庫―文庫の雑誌)
本格推理 〈11〉奇跡を蒐める者たち (光文社文庫―文庫の雑誌) / 感想・レビュー
みつ
読者投稿の短編集第11巻。はしがきには、本号の特徴は大掛かりなトリックが多いこと、とある。いわゆる不可能犯罪を成立させるためのものであるが、自分の体調を棚に上げて言うと、かなり無理が目立つ。ある作品は、百年以上前に書かれた有名なトリックとほぼ同じ。むしろ、事件らしい事件が起こらず、会話の妙だけで進み微笑ましい結末に至る『イエス/NO』、デビュー後の作風を彷彿させる『暗い箱の中で』、単純明快なダイイング・メッセージの『JKI物語』、まだるっこしさはあるものの謎の提示者の心理が哀しい『つなひき』に惹かれる。
2023/09/10
Tetchy
打率は5割といったところ。野球の記録ならば大記録だろうが。今回の作品の中では「キャンプでの出来事」と「暗い箱の中で」が良かった。その他笑い話のような「イエス/NO」、クリスティの『オリエント急行の殺人』を髣髴とさせる「黄金の指」、ショートショート並に短いながらも強い印象を残す「この世の鬼」などがよかった。最後の3編はガチガチの本格過ぎてパズル以外何物でもないという印象が強い。とくに最後の「つなひき」はあまりにも高等すぎ、また作中作も冗長で途中でどうでも良くなってしまった。
2009/08/31
chanko
石持浅海が良かったかな。作品本体より、鮎川氏の解説が興味深いんだよね、「本格推理」は。
2012/03/07
kanamori
☆☆
2011/08/21
kamisaki
石持浅海作品は一度読んではいるが、やっぱりお見事。それ以外では勝手に突っ走ってく探偵役登場の「イエス/NO」トリックは「騒がしい兇器」が好き。これくらい大がかりだとわくわく感が違いますね。
2012/06/22
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