夢の密室 (光文社文庫 あ 12-5)
夢の密室 (光文社文庫 あ 12-5) / 感想・レビュー
coco夏ko10角
6つの作品収録の短編集。シリーズ短編集とはちょっと違った雰囲気のものも。『トリュフとトナカイ』ノリというか勢いが面白かった。
2017/03/02
有理数
泡坂妻夫のノンシリーズ短編集はこれで二冊目。亜シリーズや『煙の殺意』と比べるとやっぱりどうにも物足りないかな……という気持ちは否めなかったが、軽妙なユーモアや変なキャラクターたちの会話劇も効いているし、伏線も流石に巧くて退屈はしなかったです。ベストは二編。「凶漢消失」は言葉を失う程の途轍もないエピローグで、はっきり言って大爆笑。ここに至るための取っ掛かりも面白い。「ダッキーニ抄」はミステリというより奇術に一生涯を書けた男の伝記風幻想小説。寂しげな余韻が胸にじわりと沁みる。
2016/05/08
雪紫
再読。泡坂さんの文体か舞台のせいか帯の暗示のせいか何処か不思議なミステリ短編集。表題作もトリックだけ見ればありふれた(?)チェーン密室でも舞台のせいで不思議な世界へ。再読でもベストは表題作と「トリュフとトナカイ」。トリュフはノリも面白いけど、ひぐらしやうみねこを先に見たせいかどうしてもあのシェフ郷田さんで脳内再生されますが何か?
2019/04/28
てっちゃん
泡坂さんのユーモア・ミステリーの短編集。登場人物全員が真面目何だかふざけてるんだかわからないとぼけた感じで読んでいて面白い。「トリュフとトナカイ」・「夢の密室」がお気に入り。
2017/04/11
周到&執拗
ちょうど泡坂離れしかけた頃の本で、しかも半分くらいは既読だったため長年放置していた短編集を今さらながら完読。最初の2編は、いくつかの小ネタと泡坂調の会話で押しきった感じで、平凡。ただ「蛇の棲処」の探偵役は非常に意外で、合理的だと思った。そこは感心。「凶漢消失」は、探偵が出てくる非ミステリにありがちな前フリ&オチ。「トリュフとトナカイ」にはたぶん我々の知らない楽屋事情があると思う。自由な発想というよりも、何というか、三題噺臭が感じられる。残り2編はなかなかの奇想。ただ天外というほどのものではないかな。
2016/02/26
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