哲学者の密室 上 (光文社文庫 か 30-1)
哲学者の密室 上 (光文社文庫 か 30-1) / 感想・レビュー
セウテス
矢吹駆シリーズ第4弾。ユダヤ財閥のダッソー邸で事件が発生、鍵の掛かった部屋の中で男が頭を打ち亡くなっていた。しかしモガール警視たちが捜査を始めると男は背中を刺されており、3階の部屋は密室、2階への階段は監視されており、屋敷出入口も閉められた3重密室であると解る。関係者の行動表など丁寧な説明が在るのだが、少々しつこいと感じる。ナチス時代の強制収容所で起こった密室殺人も3重密室であり、どの様にリンクするのか楽しみではある。犯行の可能性を幾つものパターン検証する辺り、推理する事が目的の自分としては充実感がある。
2017/09/02
おたま
1970年代中頃のパリ。ユダヤ人資産家フランソワ・ダッソーの邸宅で殺人事件が起きる。殺害されたのは、ボリビア人の旅行者であるルイス・ロンカル。だが、ロンカルが閉じ込められていた部屋は、外部からの侵入が不可能と思われる「三重の密室」だった。時代を遡ること30年。ポーランドのコフカ収容所でもまた「三重の密室」が現れる。小屋の中で殺害されたのは囚人のハンナ・グーテンベルガー。しかも、その小屋には、収容所長のヘルマン・フーデンベルグも閉じ込められていた。二つの不可能な密室殺人事件に、矢吹駆は挑んでいく。
2023/03/07
りんご
ユダヤ人の富豪・ダッソー邸で密室殺人事件が起こる。その真相にはなにやら強制収容所時代の事情が関係していそう。また彼らが過去にいたコフカ収容所でも不可解な密室事件が発生していた。とあらすじにしてしまえば簡単なのに、ひたすら長い。まず主人公がなかなか出てこない。そして第二の殺人事件が起こるまでもやたらと長い。ナチスのユダヤ人虐殺という歴史でもなかなか類をみない暴挙に対する死の哲学が面白く、考えさせられるものがあった。食べ物と言葉が通じたら食べ物を食べられない、なんていう発想は平和なんだなと思った。
2022/08/25
カーゾン
M:どのように収束していくか? どのように納得できる密室の解明がなされるか? を楽しみに下巻に進みます。そうでもしないと暗澹たる気持ちが続いてしまうので。
2024/03/14
Yuki Ban
325ページ目で主人公が登場し、358ページ目で主人公が初めて喋るスタンス。下巻読んだら真面目に感想を書こう。
2018/11/10
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