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屍蘭: 新宿鮫3 (光文社文庫 お 21-7)

屍蘭: 新宿鮫3 (光文社文庫 お 21-7)

屍蘭: 新宿鮫3 (光文社文庫 お 21-7)

作家
大沢在昌
出版社
光文社
発売日
1999-08-01
ISBN
9784334728571
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屍蘭: 新宿鮫3 (光文社文庫 お 21-7) / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

おそらく25年ぶりの再読です。四分の一世紀ブランクがあっても、全く色あせない本作に改めて驚愕です。展開自体は前作『毒猿』に比べ、アクションシーンはほとんどなく、「鮫島」と絡む主要キャストが女性が中心なコトから、会話のやりとりやしぐさでの描写が中心になってます。次々と起こる謎の怪死に「鮫島」が着実に真相に迫っていく姿は先が気になって仕方ありません。上司「桃井」とのやりとりも重厚な雰囲気を醸し出し、渋さが際立つシーンを演出しています。『新宿鮫』シリーズでも1、2を争う屈指の人間ドラマが描かれている作品です。

2023/02/14

chiru

新宿鮫シリーズ第3弾。1作目の敵は密造銃の天才。 2作目の敵は台湾アサシン。 今回の敵は最も強敵といえる、一般人の皮を被ったシリアルキラー。『白夜行』のような密接な関係を「植物人間のあかね」を軸に育んできた綾香と看護婦。 証拠を残さない手練手管にたけた犯人と、刑事生命を賭けて敵を追い詰めていく鮫島は、ともに薄氷の上を歩いているようではらはらしどうしでした。 息苦しさと物哀しさを感じる女性主体の犯罪。 こういう関係が本当にありそうで、怖いなって思う。 鮫島をバックアップする桃井が大好き。 ★5

2019/01/11

aquamarine

前作と雰囲気が変わる本作では、こんな犯罪の尻尾をつかめるのかと恐怖するほど犯人側が巧妙です。さらに後半は鮫島の過去の件も絡んで、命の危機より嵌められる事に対しての恐さがやってきました。今回特に印象深かったのは女性たちです。ふみ枝、綾香、あかねの言動から伝わってくる女性の微妙に見せない心情の描き方が実に巧みで、色々と想像して緊張しました。彼女らが怖いというよりこれを描けてしまう大沢さんが怖い。また藍や晶の方向の違う強かさも心を打ちます。解説にもありますがワンパターンにしない作品の強さをしっかりと感じました。

2016/08/13

k5

中学生のころは新宿鮫の世界観がガンギマリだったので、『新宿鮫』『毒猿』『屍蘭』の三作は繰り返し読んでました。今となってはKGBみたいな毒を使うオバサンとか、火サスみたいなラストシーンとか笑ってしまう部分もありますが、そんな中二要素を抜いても、キャラクターが細部まで作りこまれていて名作だと思います。しかし90年代の『鮫』シリーズは文化の混交ぶりが際立っていて、ハードボイルド+サスペンス+新宿ロック+ヤクザ映画+火サス+伝奇小説等々、といくらでも分析できそう。面白いです。

2020/09/05

修一朗

息をするのを忘れるぐらいの緊迫感で一気読み。前作毒猿のスーパーアクション敵役にも感動したが,今作のふみ枝さんも私的には全く引けをとらないパーフェクト敵役キャラ。まさに'鬼子母神'(解説より)。今回の必殺武器は実際の医薬現場の試薬をベースにしっかり書き込まれており,化学系の私でも違和感なく読めた。鮫島が罠に落ちた警察組織の暗い部分についても,読ませる力が秀逸。今回,鮫島を救ったのはキャリア刑事部長藤丸。藤丸の言葉[P404]に,漢を見たぁ…桃井課長,また体張ったぞ。あぁ,また魂が揺さぶられてしまった。

2014/04/19

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